九州地区はカーアイランドになった

東アジアとの地理的な近さも魅力のひとつ

  中国や韓国など東アジア諸国との地理的な近接さも魅力のひとつだ。完成車メーカーにとっては、カーオーディオ、ワイヤーハーネス、アルミホイールなど中国に進出している日系企業からの部品調達が容易となる一方、現代自動車などの自動車生産拠点が控える韓国東南部（域内生産165万台）や中国・吉林省（同64万台）は、部品メーカーにとって、格好のマーケットとなるからだ。九州は東芝、NECをはじめとした半導体メーカーが古くから進出、『シリコンアイランド』とも呼ばれてきた。自動車のエレクトロニクス化が一段と進むなか、「半導体や同ユニットの調達に好都合」（日産幹部）といった声も強い。
大手完成車メーカーの系列部品会社や協力会社のうち、九州に進出している企業の割合は現時点でトヨタ系26％、日産系31％、ダイハツ系が27％。今後、自動車生産台数の伸びが加速するに従って「まだまだ集積度の高まる余地がある」というのが、関係者らの一致した見方だ。