“三流ブランド”三洋電機 再建の道遠し
2006.02.01 13:47
中国企業にしか相手にされない
中計発表の際、05年中に明確にするとしていた半導体、AVの提携先はみつからず、ようやく白物家電で中国の家電大手、海爾(ハイアール)集団との合弁提携が検討されている程度。逆に言えば、「三流ブランドと提携、または買収しようとする日本企業はなく、せいぜい日本市場進出を狙う中国企業にしか相手にされない」(家電メーカー幹部)ということだ。
さらに井植敏氏が招いたジャーナリスト出身の野中ともよCEO、敏氏の長男である敏雅社長、2人の経営手腕に対する不安が社内の求心力を低下させている。
90年代後半、敏氏に率いられた三洋電機はOEM戦略で成長し、当時、リストラ中だった松下電器の株価を上回った。しかし、松下電器が雌伏の時にシステムLSIなど半導体事業を強化し、それをベースにプラズマテレビをはじめとするAV事業を飛躍させたのとは対照的に、三洋電機は自社ブランドへの先行投資を怠ってしまった。その責は敏氏にある。
6%台に低下した三洋電機の株主資本比率は、約3,000億円の増資により16%程度まで回復する見通し。払い込みが完了する3月、オーナー代表取締役の敏氏は"けじめ"の時を迎えることになる。