2024年 4月 29日 (月)

親会社がピンチ マツダは売られるのか

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GMは富士重、いすゞ、スズキから資本を引き上げた

   グローバル効率性の向上―今後の取り組みとしてマツダが避けて通れないのは海外生産の強化だ。05年度は114万9千台の連結出荷台数に対し90万4千台を国内で生産し、さらなる台数増を国内からの輸出でまかなうのは為替リスクを一層高めることになる。需要地である欧米での生産増強を考慮しないわけにいかない。中国・南京での合弁プロジェクトも07年夏に稼働する。開発面では02年から一巡した新世代商品のモデルチェンジが来年から始まる。フォードとのプラットフォーム(台車)やパワートレーン(エンジンパワーが駆動輪に伝わるまでの仕組みのこと)の共有はさらに密接になる。
   いずれもフォード抜きの単独ではありえない事業展開ばかりだ。そのフォードの屋台骨が揺らいでいる。いまのところフォードはアストンマーチン以外、グループ会社の売却を明らかにしていない。しかし、窮地に陥ったGMが富士重いすゞスズキから相次いで資本を引き上げたように、「絶対」はない。
   マツダの井巻久一社長はフォードによるマツダとの関係見直しを「本当に必要ならやるだろうが関係は深い。そうはならないだろう」と話す。またマツダ株を手放すことが「フォードにプラスになると思えない」と言う。だが、フォード―マツダの協業が故障なく進むにはフォードが主力の北米事業を健全な状態に戻すことが欠かせない。それはあくまでフォード自身の努力に委ねられている。マツダにできるのは地力を蓄え、業界再編の激震に耐える力を上げることだが、それは120万台の中堅メーカーにとって一朝一夕にはいかない時間を要する道のりであるのは確かだ。

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