2024年 4月 30日 (火)

安倍首相の外国メディア対応 リップサービス?戦略?

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日本メディアは蚊帳の外

   こうした日本の新聞社を蚊帳の外に置くメディア対応については、どうやら安倍内閣のメディア戦略と考えてよさそうだ。というのも、内閣の広報活動全般を牛耳る首相補佐官の世耕弘成氏が綿密な戦略を練っているからだ。世耕氏はNTT広報部報道部門主査を経て、政界に入った。05年参院選では、NTTで学んだメディア戦略のノウハウを最大限利用して自民党を大勝させた大物である。現在では、安倍内閣のメディア対応のすべてを任されていると考えられる。

   彼は著書「プロフェッショナル広報戦略」で次のように述べている。

「私は森さんが総理になったとき、ぶら下がり取材ではどういう準備をしているのか尋ねた。答えは『準備ゼロ』。<中略>多忙な総理に、ぶら下がり取材の勉強をしている時間はない」
「私の理想としては、総理のぶら下がり取材は止め、記者会見を1日1回実施する。その会見の前には、じっくりといっても30分ぐらいだが、各専門家の価値判断を加えた発言を総理に勉強してもらう。それから記者会見に臨むのが筋だと思う」

   彼は、記者会見での「想定質問打率10割が当たり前」だったNTT時代のノウハウを利用し、首相がマスコミから袋叩きに合うことから守るための戦略を現在でも練っているということになる。

   さらに戦略的とも思われるのは、安倍内閣が積極的にインターネットを利用して情報発信を行っているということだ。特に「政府インターネットテレビ」は、首相が語る撮り下ろしの動画や、首相の動向を伝える動画が頻繁に更新されているほどの熱の入れようなのだ。

   インターネットでの情報発信、外国メディアへの積極的な発言、そして「ぶら下がり取材」の回数削減――これらを見ると、世耕氏の戦略のなかに「日本の既存メディア外し」が含まれている可能性が高い。実際、世耕氏の同書には森首相の発言の一言一句を取り上げて「失言」として報道し、「森叩き」に終始した日本メディアに苦言を呈しており、安倍内閣を守るが故の「戦略」なのかもしれない。
    実際、世耕氏はどう考えているのか。J-CASTニュースは世耕氏の事務所に取材を申し込んだが、「大変多忙なため、今回の取材は遠慮したい」との答えが返ってきた。

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