2024年 4月 29日 (月)

証券界再編の狼煙が上がった 野村VS日興の2強対決か

初めての方ご注目!プロミスなら最短1時間融資でお急ぎでも大丈夫!

   みずほフィナンシャルグループ(FG)傘下の「みずほ証券」と「新光証券」が2008年1月の合併を決めたことで、証券業界再編の狼煙が上がった。合併を主導したみずほコーポレート銀行(CB)の斎藤宏頭取の最終的な狙いは、不正会計で揺れる「日興コーディアル・グループ」と統合し、証券最大手の「野村ホールディングス」に匹敵する巨大証券を誕生させることだとされる。
   背景には銀行と証券の連携を強化する規制緩和の流れを受け、証券会社との融合を進めるメガバンクの動向があり、三菱UFJフィナンシャル・グループ三井住友フィナンシャルグループを巻き込んだ争いが始まりそうだ。

ガリバー野村を仮想敵、として次の一手

みずほ内部のお家事情が証券再編を左右する?
みずほ内部のお家事情が証券再編を左右する?

   合併会社の新社長になる横尾敬介・みずほ証券副社長は会見で「質・規模ともに国内ナンバーワンを目指す」と述べ、野村を”仮想敵”としていることを隠さなかった。合併会社は、一般企業の売上高にあたる営業収益で日興を抜いて3位になるが、野村には届かない。だが、日興と統合すれば営業収益でほぼ横に並び、FG傘下のみずほインベスターズ証券と合わせた預かり資産は約81兆円と、ガリバー野村の約80兆円を上回る。

   みずほCBが証券再編に力を入れるのは、その遺伝子がなせる部分も大きい。みずほCBの母体のひとつである旧日本興業銀行は戦前、証券業務も行っていたが、戦後の証券改革で銀行から証券が分離された。その後、規制緩和で銀行系の証券会社が認められた際、旧興銀は真っ先に証券会社を創設した。

みずほ内部のお家の事情が再編加速

   だが、旧興銀本体も不良債権処理の嵐の中で、旧富士銀行、旧第一勧業銀行との経営統合に追い込まれる。このため、旧興銀出身の斎藤頭取にとって、銀証連携の推進は「興銀の復興」に通じるものがある。斎藤頭取は、業界再編を主導してきた旧興銀を彷彿とさせるほど、みずほCBで様々なM&A(企業の合併・買収)に関与してきた。その腰の軽さは、「財界の鞍馬天狗」と称された故中山素平・旧興銀会長を意識させ、斎藤頭取を「平成の鞍馬天狗」になぞらえた一部報道も出た。また、新みずほ証券社長の横尾氏、同会長の草間高志・新光証券社長らも旧興銀系証券の出身で、旧興銀の遺伝子は脈打っている。

   ただ、斎藤頭取の行動の影には、前田晃伸・みずほFG会長との確執も垣間見える。旧3行が統合したみずほは、持ち株会社のFGと、企業向けのCB、個人向けのみずほ銀行(BK)のトップを旧3行で分け合う形をとってきた。前田会長は早ければ来年にも勇退する可能性があるが、この時に斎藤頭取も道連れにする考えだと見る向きは多い。斎藤頭取が生き残るためには、再編で力をつけ、M&Aを進めて有無を言わせない実績を残すしかないともいえ、みずほ内部のお家の事情が証券再編を左右しそうだ。

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中