2024年 4月 30日 (火)

保険の銀行窓販の全面解禁 専門生保会社が続々登場

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   銀行等による保険商品の窓口販売が2007年12月22日に全面解禁されるのを前に、窓販(窓口販売)専門の生命保険会社が続々登場している。不良債権とデフレ不況で経営が破たんして、数を減らした生保だが、外資系に損保系が参入、そして大手生保までもが子会社を設立し、生命保険協会に加盟する生保は40社になった。新規参入はまだ増えそうで、にわかに活況を呈している。

専業のメリットはシステム開発コストの削減

「第一フロンティア生命」は銀行窓販専門の生保会社だ
「第一フロンティア生命」は銀行窓販専門の生保会社だ

   10月1日に誕生した第一フロンティア生命は銀行窓販専門で、生命保険大手の第一生命の100%子会社。第一生命によると、国内の生保会社が全額出資した生保子会社を設立したのは初めてで、これまでの「生保レディ」を通じた商品販売のスタイルから、銀行や証券会社等と提携して商品を販売する、「製・販分離」の新しい生命保険会社として開業した。

   第一フロンティア生命は、りそなグループの3行や三菱UFJ証券、みずほインベスターズ証券、東洋証券のほか、新潟市に本店を構える新和証券、水戸証券とも販売提携を結んだ。10月中には、みずほ銀行が加わり、また現在30数社とのあいだで準備を進めている。

   同社は窓販専業のメリットを、「第一生命本体だと、既存のシステムと連動性をもたせるなどシステムの開発コストがかさむ。(専業ならば)窓販にあった商品を機動的に開発できる」(企画部)と説明する。販売商品は、年金原資保証型変額年金保険「プレミアクルーズ」。第一生命では最低保証付き年金商品は取り扱っておらず、こうした貯蓄性の高い年金商品は徐々にフロンティアにシフトする計画。銀行等による保険商品の窓販は12月の全面解禁で新たに死亡保険などの取り扱いが可能になるが、同社は「(死亡保険の取り扱いなどは)数年のうちは考えていない」(同)と話し、親会社の第一生命と棲み分ける。

「窓販」は収益に大きく寄与する

   生保業界では、こうした銀行等の販売チャネルを生かした「窓販事業」に特化する生保が続々誕生しようとしている。アクサ生命はウインタートゥールスイス生命を子会社化して「アクサ・フィナンシャル生命」(仮称)に名称変更し、08年にも銀行窓販の専門生保に衣替え。また富国生命は、信用金庫業界とのパイプが太い共栄火災の生保子会社・共栄火災しんらい生命を買収し、信用金庫などの窓口を通じて販売する保険商品を準備中。銀行窓販の全面解禁を見据えて、もともと国内で販売網のない外資系生保を含め、銀行や信用金庫、証券会社の店舗網をアテにした新規参入組はまだ増えそうだ。

   国内生保の保険料収入に占める07年3月期の窓販シェア(収入保険料の総合計÷窓販で得た保険料)をみると、住友生命が18.3%、次いで三井生命の10.6%、第一生命5.7%、富国生命4.3%、日本生命4.0%、明治安田生命0.3%だった。つまり、残りの50%超の多くを外資系と損保系の生保が占めているのだ。

   いま、「収入が伸びている生保は、窓販の成績がいい」といわれ、さらには「窓販が好調なほど収益もいい」(生保関係者)というから、従来の生保レディの人脈に頼った販売手法に代わって、銀行窓販が「稼ぎ頭」になっていることは確かなようだ。

   窓販シェアを06年3月期と比べると、三井生命と富国生命、住友生命が減少し、かわって日本生命、第一生命と大手がジワリと巻き返した。銀行窓販が部分解禁された02年10月当初、日本生命などは「銀行に頼ることはない」と話していたのに、これを翻して色めきだっている。

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