株価と為替予測の通信簿(上)
2007年の総決算 やっぱりサブプライム「甘く見すぎた」
みずほ総合研究所が予測した株価は「1万8200円」
第一生命経済研究所の株価予測は「1万5000円」。ほぼ予想どおりの結果となった。「米国の住宅問題が大きくなれば景気減速懸念によって年末にかけて株価下落、逆に影響が小さければ世界同時利上げでやはり年末にかけて下落すると予測した」としている。
第一生命経済研究所は「円高」傾向を読んで、為替水準も「1ドル110円」とほぼ的中。ただ、「結果として、ほぼそうなった」と自らに厳しい。「円安のピークは年央に1ドル117円程度と見ており、実際には予想よりも円安が進展した印象。円キャリートレードや日本人によるFX取引による円売り圧力の高さは想定外だった」という。
みずほ総合研究所が予測していた株価水準は「1万8200円」。結果は、約2800円も下方に開きがあった。「米国の住宅市場の調整は予測どおりだったが、サブプライム問題の影響がここまで深刻なものになるとは予想していなかった」と明かす。
為替予測は「115円」。予想レンジは110円-120円だったので、予想の範囲内。「米国の利下げと金利縮小に伴って円高になるというシナリオは予想どおりだったが、利下げの幅が想定以上であった」。
日本銀行の福井俊彦総裁を輩出した富士通総研の株価予測は、「2万円」と、約4600円の差はかなりはずした。昨年末の時点では07年に企業主導の景気回復が家計部門へも波及するとの予測を立てていて、それを先取りするかたちで「株価2万円」をめざすとみていた。
ところが、年後半は原油価格の高騰や米国景気減速の影響、景気回復の家計部門への波及の遅れにより、株価は低迷。「外的要因と内的要因をともに読み違えたことで予想が外れる結果となった」という。
為替は「118円」と予測。昨年末の時点では、日本の景気拡大の持続により円安が修正されるとみていて、07年央時点では110円程度の円高となり、その後円安方向に戻す展開を想定していた。しかし、実際の動きは、春ごろまでの円高が修正されてやや円安に戻したところまでは予想どおりだったが、その後再び円高に向かった。「米景気の減速によるドル安の影響が大きいが、想定外のことだった」と話す。
《経済研究所ミシュラン 2007年の通信簿》
株式 | 為替(米ドル) | |
---|---|---|
日本総合研究所 | ★★★ | ★★★★ |
第一生命経済研究所 | ★★★★★ | ★★★★ | みずほ総合研究所 | ★★★ | ★★★★ | 富士通総研 | ★ | ★★★ |
(評価の見方)
株価1000円未満の乖離幅(±)であれば、★★★★★
1000円以上の乖離幅で、★★★★
2000円以上で★★★
3000円以上で★★
4000円以上で★
米ドル為替2円未満の乖離幅(±)であれば、★★★★★
4円未満で、★★★★
6円未満で、★★★
8円未満で、★★
10円以上で、★