日本の公的資金投入の薦め G7で相手にされず

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   米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題が深刻化する中、バブル崩壊後に未曾有の金融危機を招き、「失われた15年」を経験した日本は、2008年の年明け以降、国際会議などを通じて「金融機関への公的資金投入の重要性を訴える語り部を演じている」(当局筋)が、欧米各国から一顧だにされない冷たい仕打ちに会っている。

欧米の大手金融機関は大胆な損失処理を進めている?

   08年1月下旬の世界経済ファーラム(ダボス会議)や2月上旬に東京で開かれた先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)などで、渡辺喜美金融相や額賀福志郎財務相は欧米の金融当局者や市場関係者らとの会談で、ことあるごとに「日本は金融機関への公的資金の投入が遅れたばかりに、不良債権問題を深刻化させ、デフレ不況まで招いた」と、恥を偲んで失敗談をアピール。サブプライム問題では、欧米政府が多額の損失を出した大手金融機関に対して速やかな公的資金の投入を決断すべきだと間接的に求めているが、「ポールソン米財務長官や欧州中央銀行(ECB)幹部らはどこ吹く風と聞き流し、ほとんど相手にされていない」(同)という。

   関係筋によると、欧米側は日本の公的資金投入の薦めに対して「日本が後始末に血税を投入せざるを得なかったのは、バブル崩壊以降、不良債権問題を長年放置し、事態を悪化させたしまったための自業自得」と突き放しているという。これに対して、米シティやスイスUBSなど今回のサブプライム問題で巨額損失を出した欧米の大手金融機関は中東産油国の政府系ファンド(SWF)などの資本支援も得ながら、大胆な損失処理を進めており、欧米当局は日本の旧大蔵省・日銀と違い、きちんと金融界に対応を取らせているというのだ。

   実際、ポールソン米財務長官はG7前のインタビューなどでも公的資金投入の可能性を明確に否定。もちろん今秋の米大統領選を意識して、ウォール街救済イメージから国民に不評の公的資金投入を避けたい気持ちもあるのだろうが、日本の金融当局筋によれば、米側には「金融危機処理で無様な醜態をさらけ出した日本と同列に論じて欲しくない」との反発が強いという。

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