2024年 4月 30日 (火)

不況で「生花」売れない 取扱量、金額ともに減少

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   部屋の観賞用、贈り物や冠婚葬祭用と幅広く使われるはずの「生花」が、不景気の影響を受けて、販売量、金額ともに前年を下回り、厳しい状況だ。売れないので値段は下がる一方で、採算が取れなくなった生産者は廃業もやむを得ないと悲鳴を上げる。

   大手卸売業者フラワーオークションジャパン(FAJ)によると、2008年3月から切り花の取扱量が落ち込んでいる。不景気が追い打ちを掛けて、08年11月以降はさらに減った。09年10月は取扱量が前年同月比13%減、金額が19%減と大幅に減った。11月は取扱量が同比7%増、金額は4%減で、まずまずのように見えるが、08年11月の水準が低いので回復したとは言い難い。

10本買っていたお客さまが8本に

   FAJ切り花営業課の担当者は、

「(花屋では)売れなくて在庫の花であふれている状況で、仕入れを抑えているようです」

と話している。

   花屋チェーン「小田急フローリスト」では09年11月の客数が4%減、平均単価が7%減だった。

   小田急ランドフローラ園芸事業課の担当者は、

「うちは駅前にあり立地がいいので客数はそんなに減っていませんが、立地の悪い店は厳しいと思います。ただ、当店も客単価が落ちています。10本買っていたお客さまが8本に、5本買っていたお客さまが3本になるという具合に渋りが出ています」

と打ち明ける。

   業界全体でみても、単価の高い開店祝いの花や葬祭用花も出が悪いようだ。

   小田急ランドフローラの担当者は、

「花屋の場合、不況の影響が半年から1年経ってから出てくると昔から言われていて、悪くなったのは09年になってからです。また、景気がよくなっても花屋はすぐに回復しないとも言います」

といい、厳しい状況がしばらく続きそうだ。

花は嗜好品なので不景気の影響を受けやすい

   農林水産省の調べによると、切り花の取扱量、金額はともに減っている。08年の切り花類の取扱量は57億353万本で、前年に比べ2%減少した。仏花としての需要がある菊の入荷量は前年並みだったが、バラは6%下回った。また、取扱金額は同比8%減の3112億円で、全体的に価格が下がっている。

   鉢もの類も取扱量が前年比4%減の2億7889万鉢と減った。観葉植物の入荷量が前年より10%減り、洋ラン類も2%減ったためだ。単価も下がり、取扱額は908億円と前年に比べ9%減少した。

   東京都中央卸売市場の花き係担当者は、

「花は嗜好品なので景気の影響を受けやすい。取扱量も減っていますが、需要が減ったことによる価格の下落のほうが激しいです。個人消費に加えて、葬儀などに用いられる業務用の減少が大きいからでしょう」

と話している。

   売れなければ生産者も大変だ。生産者の業界団体、日本花き生産協会の担当者は、

「(生産者から)採算が取れないなら廃業しようという人もいます」

と明かす。

   厳しい状況だが、例年、12月はクリスマスに赤バラが売れ、年末年始に向けて消費が伸びるかき入れ時だけに、「期待したい」という声も関係者からあがっている。

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中