2024年 4月 30日 (火)

軽量コンパクトで高画質  「一眼カメラ」ソニー参入で競争激化

   「一眼レフ」ならぬ「一眼カメラ」と呼ばれるデシタルカメラがマスコミをにぎわすようになった。一眼カメラはパナソニックとオリンパスが共同で規格を開発し、市場を開拓した。「写真は好きだが、大きく重い一眼レフはいや」という女性の支持を受け、シェアを広げるパナソニックに対抗し、2010年1月には韓国サムスンが独自の一眼カメラを自国で発売、世界展開を目指すという。そこに後発のソニーが参入を表明したため、ライバル同士の開発競争から目が離せなくなってきた。

   「一眼カメラ」とは、フィルム時代からのカメラファンにとっては耳慣れない言葉だ。

「一眼レフ」とどう違う

   新聞やテレビは似て非なるこの二つのカメラを区別できず、混同して使っていることもあるので、注意が必要だ。伝統的な高性能カメラである「一眼レフ」がレンズからの実像をファインダ―に映すため、反射鏡(レフレックス)を使うのに対して、一眼カメラは反射鏡を用いず、その分ボディーをコンパクトにしたデジタルカメラだ。

   このため、「ミラーレス一眼」などとも呼ばれる。従来のコンパクトカメラと異なるのは、一眼レフと同じく、レンズの交換が可能で、軽量コンパクトなボディーながら高画質の撮影ができることだ。

   「一眼カメラ」なるネーミングを考案し、普及させたのは、2008年秋に最初の「ルミックス」を発売したパナソニックだろう。ルミックスは一眼レフのような重厚なデザインを採用せず、薄型ボディーと軽さを売りものに、初心者でも扱いやすい機能を充実させ、大ヒット。樋口可南子さんら女優が多数登場するCMも、女性がターゲットであることを印象づけた。

急速に普及し、シェアは20%前後

   一眼カメラはレンズ交換ができるため、交換レンズのバリエーションを増やすことができ、ユーザーにとっては楽しく、メーカーにとっては収益性が高いなど双方にメリットが大きい。最新の民間調査によると、一眼レフと一眼カメラを合わせたレンズ交換式カメラの市場で一眼カメラの普及は急速に進み、シェアは20%前後に達した。今後も伸長が予想されるという。

   パナソニック、サムスンを追撃するのが、この分野で後発のソニーだ。ソニーは06年にコニカミノルタから一眼レフカメラ事業を買収し、ミノルタ時代からの伝統の「α(アルファ)」ブランドを継承した。ソニーは独自の規格で一眼カメラ(ミラーレスカメラ)に参入すると表明。横浜市で開かれたアジア最大のカメラ展示会に参考出品し、注目を集めた。ソニーは伝統のαブランドで年内にも新商品を発売するという。

   迎え撃つパナソニックは、一眼カメラとしては世界初というタッチパネル式の液晶画面を備えたルミックスを4月に発売すると発表。ソニーの参入で、一眼カメラ市場の競争が激化し、面白くなるのは間違いない。

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