2024年 4月 30日 (火)

東北新幹線の青森延伸で 地元が密かに恐れる「ストロー現象」

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仙台、さらに東京まで買い物に行ってしまう?

三浦春馬さんがCMにも出演
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   ただ、今後の集客には不安も残る。集客以上に、地元の人が、「近くなった」仙台、さらに東京まで買い物などに行ってしまう「ストロー現象」の懸念がささやかれる。実際に秋田新幹線開業(1997年)で秋田市中心街の通行量が減ったという調査もあり、「過疎とストロー現象の両方が効いた」(地元経済界)との声も。

   2015年には北海道・新函館まで延びる計画であることから、「通過駅」になるのでは、との指摘もある。観光地として知名度、実績とも青森を上回る函館との勝負になるからだ。「まだ注目されていない東北観光の魅力を売り込むとともに、また仙台や東京に人を吸い上げられないよう、魅力ある街づくりなど人口流出対策も地道に進める必要がある」(青森経済界)。

   「並行在来線」も楽観できない。JR東北線の八戸-青森を引き継いだ「青い森鉄道」は02年に盛岡-八戸で運行を開始し、今回の引継ぎ分を含め、総延長122キロの日本一長い在来線になった。累積赤字(今年3月末現在)は約2億6000万円にのぼり、人口減少で1日利用者数は、現在の約1万1000人から30年後には約6600人に減ると見込まれている。県は保守管理費用などとして赤字補填に年間16億円を支出するが、今回の盛岡―新青森間の開業に伴う地元負担1850億円(今後の新函館までの68.6キロを含めると総額で約2600億円に膨らむ予定)も重くのしかかり、これ以上の在来線支援は難しいという。

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