2024年 4月 30日 (火)

スーパー、コンビニ相次ぎ「減塩」提案 薄口だけど「おいしい」を強調

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   スーパーやコンビニエンスストアが相次いで「減塩」を提案するキャンペーンを展開する。イトーヨーカ堂の減塩フェア「減塩生活はじめよう」のほか、ナチュラルローソンは2010年に180万部を超えるベストセラーになったレシピ本「体脂肪計タニタの社員食堂」シリーズとのコラボレーションで「低カロリー」「塩分量」にこだわったメニューの販売を開始した。

   日本人の「塩」の摂取量は減少傾向にあるものの、2009年の成人が1日平均で10.7グラム(厚生労働省調べ)と、日本高血圧学会が定めている1日6グラム未満の目標値を1.5倍以上も摂取している。この目標値は米国などが導入している国際基準で、日本は海外と比べても「遅れ」をとっている。

   「塩リスク」については、2010年に厚労省の研究班が「塩分・塩蔵食品はがんや脳卒中などのリスクを高める」と発表。塩分の摂りすぎは要介助のリスクが高まるとも報告している。

「塩分が健康に悪い」と思う日本人5割未満

イトーヨーカドーでは「減塩生活はじめよう」フェアを展開(写真は、イトーヨーカドー大森店)
イトーヨーカドーでは「減塩生活はじめよう」フェアを展開(写真は、イトーヨーカドー大森店)

   それにもかかわらず、高血圧予防をめざす医師や賛同団体による「塩を減らそうプロジェクト」が2009年に実施した調査によると、「塩分が健康に悪い」と思っている人は5割未満と少ない。日本人はふだんから醤油や味噌などを使った食事に慣れていることもあって、塩分が健康に悪いというイメージが希薄になりがちなようだ。

   ジワジワと盛り上がりをみせる「減塩キャンペーン」は、そんな「塩リスク」への認識を深めて、日ごろの「食」を見直そうと訴えている。

   イトーヨーカ堂は2011年2月23~27日まで、東京の大森店や武蔵小金井店、三郷店(埼玉県)の大型店で「減塩生活はじめよう~減塩+塩分排出で体内減塩化~」を展開する。

   減塩メニューに役立つ調味料や、塩分排出につながるカリウムを多く含んだ食材を使った減塩レシピの試食体験コーナーには、「減塩親子丼」や「豚のさっぱり煮」などの「おすすめ」減塩メニューが並ぶ。「減塩クイズ」の実施や減塩レシピの紹介などを通じて、「減塩」に関する知識や対策メニュー、体験を提供する。

カロリーや塩分、わかりやすく表示

栄養士の佐藤秀美先生は「食べ方を工夫するだけでも減塩できる」と話す
栄養士の佐藤秀美先生は「食べ方を工夫するだけでも減塩できる」と話す

   一方、ナチュラルローソンが用意したタニタとのコラボ・メニューは、「ゆで豚の香味ソースかけ弁当」や「ミートタコライス」、「バジル風味のクリームスープ」など5品を、全82か店で2月15日から販売している。それぞれ、カロリーを118~404キロカロリー、塩分を1.4~3.6グラムに抑えていて、売り場ではカロリーや食塩相当量の数値とともに制定されたばかりの「減塩マーク」を使って、わかりやすく表示している。

   「健康によいメニュー」というと、これまでは「薄口だとおいしくない」「満腹感が得られない」といった声が少なからずあった。ローソン・ナチュラルローソン推進部の清田栄一郎氏は、「この商品はタニタ社員食堂を担当する栄養士が監修しています。低カロリーで減塩ですが、野菜たっぷりで栄養バランスがよく、おいしさと満腹感が高いところが違います。とにかく、一度食べてみてください」とアピール。4月中旬から、新メニューを投入する計画もあるという。

   さらに、3月1日からはインターネットのグルメサイト「ぐるなび」が「減塩メニューの食べられるお店」特集を展開。東京都内の「減塩焼肉」や「減塩焼き鳥」「減塩串揚げ」などを取り上げる。こうした取り組みが広がれば、「塩リスク」に対する消費者の意識も深まるというもの。

   栄養士の佐藤秀美先生は「たとえば、醤油やドレッシングは料理に直接かけるのではなく、つけて食べる。些細なことですが、それだけでも塩分の摂取は抑えられます」と、食べ方にも注意を呼びかける。

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