2024年 5月 7日 (火)

ダイハツ・技術本部エグゼクティブチーフエンジニア上田亨氏に聞く
軽自動車大いなる「復権」目指す リッター30キロ「ミラ イース」の挑戦

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

月産1万台くらいは売りたい

ダイハツ技術本部・エグゼクティブチーフエンジニアの上田氏(右)と大森編集長(左)
ダイハツ技術本部・エグゼクティブチーフエンジニアの上田氏(右)と大森編集長(左)

   大森 「イース」のデザインですが、そうとんがった印象ではありませんね。

   上田 たしかにスポーティーとまではいえません。しかし、上質でシンプルなデザインです。みんなに親しみをもってもらい、幅広い人に乗ってもらうためのデザインです。もちろん、空気抵抗などを考慮し、後部を絞込むなど、シャープなデザインになったのは燃費向上を意識したからです。

   大森 販売価格が一部車種では80万円を切りました。価格が上昇気味だった軽自動車の世界では衝撃的な水準です。

   上田 軽自動車の売れ筋は「100万円」がひとつの目安で、ここを超えると売れ行きは鈍くなります。その意味では軽の将来を見据えた価格ともいえます。

   ただ、ここまでの低価格を実現するためには、従来のやり方では限界があります。そこで最初の設計段階からすべてを見直すという試みに挑戦し、結果的に大幅に削減できました。できるだけシンプルな「絵」(設計図)を描き、工程も減らしていきました。

   大森 「低燃費」ガソリン車は人気です。販売目標はどのくらいに置いていますか。

   上田 「イース」は話題性もあるので、月産1万台くらいは売りたいですね。現在、予約販売中ですが、通常の3倍増と好調な滑り出しをみせています。

   大森 HV車やEV車も含め、将来の軽自動車はどんな方向を目指すのですか。

   上田 HVやEVを採用すると、軽自動車は、車体重量が重くなりすぎます。つまり燃費が悪くなる。そして、価格も高くなるでしょう。HVやEVについては、研究は続けていきます。しかし、新興国を含め、少なくともあと20~30年、ガソリンエンジンが残るのではないでしょうか。今のところはガソリン車をさらに進化させていくことを第一に考えています。

   もちろん、OEMでの提供も可能ですし、普通車にもこのやり方は通じると思います。軽自動車の位置づけを高め、軽自動車の「復権」のためにも、商品バリエーションを増やしていきたいです。

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