経済週刊誌が新読者狙い大変身中! テーマが不妊、うつ、数学、老人ホーム…

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   「カタイ」印象が強い経済誌が、最近ちょっと変わってきた。

   例えば、週刊東洋経済の「数学脳を鍛える!」(2012年6月9日号)や、週刊ダイヤモンドの「あなたの娘は何を考えているのか?」(3月24日号)、日経ビジネスの「老人ホーム革命」(7月16日号)。「ホントに経済誌なの?」と思わせる特集だ。

変りダネ特集は「チャレンジ」

経済週刊誌が変わってきた!?
経済週刊誌が変わってきた!?

   「みんな不妊に悩んでいる」――。週刊東洋経済7月21日号の特集は、おおよそこれまでの経済誌とは思えない内容だった。

   とはいえ、「不妊」はふだん気にしないでいるが、案外大きなテーマの一つかもしれない。おそらく30~50歳代の男性が中心の同誌の読者層も、きっと気にしていなかっただろう。

   特集によると、少子化が社会問題となるなか、「不妊はいまや国民病」であり、不妊の原因の半分が無精子症や精子無力症、勃起障害(ED)など、「男性にある」のだそうだ。

   海外レポートでは米国のハーバード大学の学生の卵子が300万円で取引されている例や、フランスでは体外受精は4回まで社会保険でカバーしてくれることなどを紹介。不妊治療を経済的な側面からまとめてもいる。

   週刊東洋経済はこの他にも、「人ごとではないうつ・不眠 予防・治療法&つき合い方」(6月16日号)や「貧食の時代」(9月8日号)といった、これまでの経済誌とは趣の違った特集テーマを取り上げている。

   「貧食の時代」では、生鮮食料品の入手が困難な「フードデザート」(食の砂漠)が地方だけでなく都市部でも広がり、足腰の弱った独居高齢者の「食」を直撃し、また不健康な社会人が続出していることを紹介するなど、「食の崩壊」を訴えた。その一方で、コンビニ大手がこうしたシニア市場を狙って、宅配や移動販売に本腰を入れ 始めている、という形で取り上げた。

   このような「変りダネ」の特集を組むことについて、「週刊東洋経済」編集部は「チャレンジです」という。「男性中心の読者層から、その周辺に広げていきたいと考えています。ストレートな経済特集でなくても、社会的な問題や、問題提起したいこと、大切と思うことにメッセージを発信していきたい」と、狙いを話す。

   ただ、必ずしもその狙いどおりにいくわけではない。編集部は「メッセージの出し方などは、もっと練り上げていかなければならないと考えています」とも言う。

「接待にお薦めのレストラン」も紹介

   週刊ダイヤモンドも、「変りダネ」の特集は目立っている。

「ニッポンの接待 新営業の常識が変わった!」(6月23日号)
「生活保護3.7兆円が日本を蝕む」(6月30日号)
「もう一度泊まりたい!日本のベストホテル」(8月25日号)
「頼れる病院 消える病院」(10月27日号)

といった具合だ。

   3月24日号の特集「あなたの娘は何を考えているのか?」では、「父親と娘 ホンネアンケート」や「ぶっちゃけ座談会」でイマドキ女子中高生のホンネトークを引き出し、また「ニッポンの接待」(6月23日号)では経済誌らしく、「データで読み解く接待急減の内実」で編集部作成のグラフ「業界別交際費の増減率」で、どの業種が交際費をどれだけ減らしたかがひと目でわかるようにした一方で、「元国税調査官が明かす 知ってお得な交際費の裏技」や、島耕作が接待のマル秘テクを伝授してくれる「絶対に成功する接待講座」に「接待パフォーマンスのよいお薦めレストラン」と、ハウツー本やグルメ本の要素までも取り入れ、読者の興味をかき立てようと努めている。

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