2024年 5月 6日 (月)

野田首相、TPPを争点に 「国益」か「パフォーマンス」か

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中国など途上国の市場開放ねらう

   政策論議が深まるか。選挙では農業票を意識して「反TPP」の勇ましい声が大きくなりがちだが、世界貿易機関(WHO)の包括的な貿易交渉が停滞する中で、世界的にFTA締結競争が近年の常識。韓国が米、欧州連合(EU)などとFTAを精力的に結び、日本勢が関税などで相対的に不利な条件で競争させられているとあって、自民党を含めて「FTA推進」は多くの党に共通する。

   そこで問題のTPPだが、「聖域なき関税撤廃」を原則にするという「高いレベルのFTA」であるのとが特徴。ある有力経済官庁次官OBは「中国がこれまでに各国と結んだFTAは例外が多い。他の途上国を含め、自由化を促す梃子になりうるのがTPPであり、それが中国や途上国の市場を開かせることで生きていく日本の国益だ」と指摘する。実際、日本がTPP参加に向けて動き始めたからこそ、中国は日中韓FTA交渉に乗ってきたのは紛れもない事実だ。

   自民党の選挙公約発表の場で、安部晋三総裁はTPPについて「国益が守られれば参加していくのは当然」と言及し、自民党内でも「TPP推進のオバマ政権が継続するのに、自民党が政権復帰してTPPに後ろ向きでいられない」との声も聞こえる。「TPPは対中国外交の中でも有効な材料になりうる」(通商筋)という戦略的な思考も含め、どこまで政策論争が深められるか、すべての政党が問われている。

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