2024年 5月 7日 (火)

何かと憶測呼ぶ東芝トップの人事 西田厚聡会長が留任、「副会長」新設の謎

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会長を続投したとしても後1年なのになぜ

   他方、東芝の内規は会長職の年齢上限を70歳とする。実際、西田氏の3代前の会長の佐藤文夫氏はこの規定を守って退任したため、1999~2000年にかけて一時会長が空席になったこともある。西田氏は現在69歳。会長を続投したとしても後1年。この点について西田氏は会見後、記者団に「(来年は)会長を退任し相談役になる」と語った。となると1年限りの「会長・副会長・社長」体制となり、ますます意味が分からない。

   「なぜ副会長なのか」の理由をめぐって周辺からは2つの説が聞こえてくる。

   まず、西田・佐々木両氏の不仲説。西田氏と佐々木氏の折り合いが良くないは周知の事実といわれている。うがった見方ともいえそうだが、諮問会議など華々しい場所に政府から抜擢された佐々木氏に対し、西田氏には「男の嫉妬」がヒートアップしたというのだ。東芝の「指名委員会」は西田氏と2人の社外取締役で構成され、形式的にも実質的にも西田氏には首脳人事決定権があり、佐々木氏の会長就任を拒んだというものだ。

   もうひとつは経団連会長待機説。経団連会長になるには経団連副会長かつ企業の現役会長か社長である必要があるとされる。西田氏は経団連副会長を6月に退くだけでなく、副会長に準じる経団連会長待機ポストともされる経団連の審議員会議長・副議長にも残らない。ただし、経済界は人材不足で2014年6月に退任する米倉弘昌会長の後任選びは混迷を深めており、西田氏が東芝会長に残っておけば多少、慣例に反しても経団連会長になる目は残る――というものだ。

   真相は藪の中だが、西田氏の思惑が色濃く反映した人事なのは間違いなさそうだ。

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