2018年 7月 19日 (木)

日本郵政、上場にらんで新規事業に取り組む 土産物のホテル配送や、郵便局に通販用のロッカー

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   日本郵政グループの日本郵便が年明け後、相次いで新規事業を発表している。一つは中国人観光客を対象にした土産物のホテル配送サービス。もう一つはネット通販で購入した商品を好きな時間に受け取れる郵便局へのロッカーの新設だ。

   外国人観光客の増加やネット通販の拡大を考えればこれまでなかったのが不思議といえなくもないが、グループの本格的な民営化をみすえて「『親方日の丸』から脱け出す覚悟の表れが見えてきた」(証券アナリスト)という評価があるのも事実だ。

段階的に株式売却の方針

「親方日の丸」イメージからの脱却狙う(画像は「日本郵政」のホームページ)
「親方日の丸」イメージからの脱却狙う(画像は「日本郵政」のホームページ)

   日本郵政は2014年末の記者会見で株式の上場計画を正式に発表し、2015年半ば以降に持ち株会社の日本郵政と同社の金融子会社2社(ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険)が同時上場する方向が固まった。

   改正郵政民営化法は、金融2社について将来的に全株を売却し完全民営化することを求めているが、2社の利益はグループの9割を占める根幹事業。完全に切り離してしまえば、郵政グループには民間宅配便業者との競争やネットの拡大で先細りが避けられない郵便事業しか残らなくなる。

   そのジレンマに直面した西室泰三・日本郵政社長は、上場計画発表の記者会見で金融2社株の扱いについて「日本郵政の保有割合が50%程度になるまで段階的に売却し、そこで一休止してから考える」と説明した。当面は金融2社からの収益を親会社が吸い上げられる仕組みを残し、その間にその後の売却方法を考えるという。

西室社長が自らの人脈で交渉

   ただし、それはあくまで日本郵便が収益力で独り立ちできるまでの時間稼ぎだ。「民業圧迫」批判が根強い民間金融機関や米国からの圧力を考えれば、一部に根強い期待がある「政治の風向き次第で2社の完全民営化路線が修正される」(自民党旧郵政族幹部)可能性はないとの見方が一般的。

   実際、日本郵便による収益力強化の試みは、昨年夏以降、西室社長が現場に強くハッパをかけて実現させたという。中国人観光客を対象にした土産物のホテル配送サービスでは、中国最大の旅行社、上海携程国際旅行社(シートリップ、会員数1億5000万人)との提携を実現するため、「西室社長が自らの人脈で中国政府幹部と掛け合った」といわれる。ネット通販の商品受け取りサービスでも、西室氏が楽天の三木谷浩史会長兼社長と膝詰め談判し、総務省にも認めさせたという。

   「官業」体質が染みついた日本郵便が、規制に守られた「ゆうちょ・かんぽ依存」から抜け出し、「優良企業」に生まれ変われるのか。今年秋ごろとみられる日本郵政と金融2社の株式上場はそれを占う試金石になる。

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