2024年 4月 30日 (火)

日銀の異次元緩和「副作用」が数字で示される 取引が細る国債は本当に大丈夫か

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「将来非常に大きな問題が表面化する可能性がある」

   多くの投資家による活発な取引が行われなくなった結果、債券市場では適正な価格(金利)が形成されにくくなっており、1月から2月にかけて、長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは0.1%台から0.4%台まで乱高下した。こうした状況に対し、金融政策を決める日銀の政策委員からも、何らかの出来事をきっかけに金利が急上昇し、住宅ローン金利に波及するなど「将来非常に大きな問題が表面化する可能性がある」(木内登英審議委員)と、強い懸念の声が上がり始めている。

   これに対して日銀執行部は「現時点では国債の大量買い入れの効果が副作用を上回っている」(幹部)として、強気の姿勢を崩していない。黒田東彦総裁は3月17日の記者会見で、意図した価格で取引できていないとの回答が少なかったことに触れ、「債券市場の流動性に現時点で大きな問題は生じていない」と胸を張った。ただ、黒田総裁の評価は都合の悪い数字に目をつぶり、都合の良い数字だけを拾ったに過ぎないともいえる。市場の声を真正面から受け止めない聞き取り調査では、単なる対話のアリバイ作りとみなされ、市場からの批判が高まる可能性がある。

   原油価格の下落で物価上昇率がゼロに近づき、日銀が目指す2%から遠ざかるにつれ、市場では年内の追加緩和観測が高まっている。だが、一段と緩和を拡大すれば市場機能はさらに低下し、最後は壊れてしまいかねず、日銀の政策運営は難しさを増している。

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