2024年 4月 30日 (火)

油井宇宙飛行士、今夏の活躍に期待高まる 16日に日本が宇宙ステーション補給機打ち上げ、21日ドッキング

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   国際宇宙ステーション(ISS)に日本人5人目となる宇宙飛行士、油井亀美也さん(45)が長期滞在し、自身の短文投稿サイト「ツイッター」(Astro_Kimiya)にISSから撮影した日本の夜景を投稿するなど話題を集めている。

   2015年8月16日には、宇宙ステーション補給機「こうのとり」5号機(HTV5)が鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられる予定。ISSへのドッキングは21日で、油井飛行士がISSのロボットアームを操作して「こうのとり」を受け止めることになっている。その後の宇宙実験と合わせ、この夏は宇宙をめぐるドラマがしばらく続きそうだ。

  • 油井飛行士による宇宙観測や科学実験の成果に期待が高まる
    油井飛行士による宇宙観測や科学実験の成果に期待が高まる
  • 油井飛行士による宇宙観測や科学実験の成果に期待が高まる

これまで4機が連続して打ち上げに成功

   国際宇宙ステーション(ISS)は日米欧加露の5極(15か国)が共同で行う国際協力プロジェクトで、高度約400キロの軌道上を周回している。ISSには各国の宇宙飛行士が長期滞在しており、油井飛行士は7月23日から12月22日まで約5か月間、日本実験棟「きぼう」で科学実験や観測などを行う。油井飛行士は日本人で5人目、通算6回目のISS長期滞在者で、「国別の宇宙滞在日数ではロシア、米国に次いで日本が世界で3番目になる」(宇宙航空研究開発機構=JAXA)という。

   8月16日に打ち上げ予定の宇宙ステーション補給機HTV5は、ISSに必要な食料、飲料水、日用品や保守用品、日本の実験関連物資を運ぶもので、物資補給は日本の国際的な任務となっている。宇宙ステーション補給機(HTV)は日本の基幹ロケット「H-2Bロケット」で打ち上げる。HTVは無人だが、「有人施設であるISSにドッキングするため、高い安全性、信頼性を求められる。これまで蓄積した日本の宇宙産業の先端技術を結集して開発した」(JAXA)という。

   ISSへの補給船の打ち上げは、直近ではロシアの「プログレス補給船」が7月3日に成功しているが、6月28日に米国の民間宇宙企業スペースX社が打ち上げた「ドラゴン補給船」はロケットが爆発し、失敗した。日本の宇宙ステーション補給機(HTV)は、これまで4機が連続して打ち上げに成功しており、「他国の補給船にはない大型船内ラックや大型の放射線防御カーゴを持ち、着実な物資輸送で各国から高い信頼を得ている」という。今回は油井飛行士がドッキングの操作を担当することもあり、注目を集めそうだ。

マウスで生命科学研究

   油井飛行士はHTVが運んだ実験用物資を用い、宇宙の謎の一つ「暗黒物質」や宇宙線の起源を探る天体観測のほか、小動物飼育装置を使った「健康長寿・加齢疾患研究」や創薬研究につながる高品質なタンパク質の結晶生成などにも取り組む。

   これまでの宇宙実験はメダカなどを用いて行ってきたが、今回の小動物飼育装置は「より人間に近いマウスを用い、生命科学研究を行う日本初の宇宙用マウス実験装置」(文部科学省研究開発局)なのだという。ISSは微小重力環境で「骨が地上の10倍の速さで減る」など、宇宙ならではの実験・研究ができるという。

   いずれにせよ、ISSは「民生分野における日米宇宙協力史上、最大規模のプログラム。日本はISSへの参加を通して様々な技術・運用ノウハウを蓄積し、欧米へのキャッチアップを果たすとともに、宇宙開発利用で世界有数の実力をもつようになった」(自民党政調関係者)という。

   油井飛行士は航空自衛隊のテストパイロット出身で、2009年に歴代最年長となる39歳でJAXAの飛行士候補に選抜されたことで話題となった。油井飛行士がISSに滞在する5か月間、「きぼう」で行う宇宙観測や科学実験の成果に期待が高まる。

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