2024年 4月 30日 (火)

プロレスファンも激怒する「蛍光灯製造禁止」 5年後目指す「国策」に反発広がるワケ

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   2020年度をめどに、国策でエネルギーを多く消費する白熱灯や蛍光灯の製造が事実上、禁止されるかもしれない。

   すでに国内では、蛍光灯より消費電力が少なく、かつ長寿命でランプの交換が不要な発光ダイオード(LED)照明の普及が急速に進んでいる。ただ、蛍光灯の製造や海外からの輸入が禁止されることに反発したり、困ったりする人も出てきている。

  • 蛍光灯の製造が禁止されるかもしれない・・・
    蛍光灯の製造が禁止されるかもしれない・・・
  • 蛍光灯の製造が禁止されるかもしれない・・・

「LEDは目が痛くなる」「国策での強制やめろ!」

   蛍光灯の製造禁止は、政府が省エネルギー対策の一環として打ち出した。2015年11月26日付の朝日新聞デジタルが報じ、同日の首相官邸で開かれた「官民対話」でも同じ趣旨の説明が政府からあった。2020年度をめどに国内での蛍光灯の製造と海外からの輸入を実質的に禁止する方針で、蛍光灯から、省エネ性能がLEDへの置き換えを促す。

   11月末にパリではじまる国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)に向けて、日本の温室効果ガス削減への取り組みを具体化する狙いもあるという。2016年度にも省エネ法の政令を改めることで、LED並みの省エネを達成するのが困難な白熱灯と蛍光灯は事実上、製造や輸入ができなくなる見通しとされる。

   この報道に、日本照明工業会は「事実関係を含め、現在確認中です」とコメントし、困惑している。

   一方、報道をもとに政府の方針に激怒したのが、なぜかプロレスファンだった。インターネットには、

「ふざけるな! 国策で俺たちの楽しみを奪うのか!」
「えっ、蛍光灯デスマッチがなくなっちゃう!!!」

といった声があがり、憤りを隠さない。

   どうやら、大日本プロレスが挙行する「蛍光灯デスマッチ」(リングロープに蛍光灯をくくりつけて行う試合)ができなくなることを心配しているらしい。

   デスマッチで使っている蛍光灯は主に業務用で、破片が細かく粉々になりやすい廃品で、それを集めて大量に送ってくるファンも少なくないという。LEDでも蛍光灯の代用になるのだろうが、LEDは値段が高いことや長寿命なので廃品が少なくなることが予想される。蛍光灯の製造禁止で、人気のファイトが見られなくなるというわけだ。

すでに大手は撤退の方向に動く

   プロレスファンだけではない。インターネットには怒りの声があふれている。

「蛍光灯の光だとホッとするのになんでダメなの?」
「バカなの? LEDの光が苦手な人もおるんやで。国策で強制するのやめろ!」
「地デジ移行の時も思ったけど、こういうのってメーカーの思うツボのような気がする」
「LEDはすべての照明器具に対応してないじゃん。機器を買い換えるお金がない人はロウソクを使えということでしょうか」

といった具合。なかには、

「横暴だよなぁ。LEDランプは目が痛くなるから嫌いって人もいるだろ」
「蛍光灯は明るさではなく『熱』が重要な用途。ひよこを暖める電球とか、雪国の信号機や街灯、井戸水を汲み上げるポンプのモーター凍結防止用とかも、なくしてどうするの」

といった身体や、日常生活や仕事への影響を懸念する声もみられた。

   経済産業省の機械統計によると、蛍光灯の販売数量は2010年以降、年々減少。2014年は前年比9.0%減で、2億個を割り込む寸前にまで落ち込んだ。その一方、14年のLEDランプ(電球形)は前年から23%増えて3億個に迫った。

   照明メーカーも、すでに東芝ライテックや日立アプライアンスが蛍光灯器具の開発を中止。パナソニックも2015年5月、国内で販売するオフィスなどの照明器具について19年3月までに蛍光灯をやめ、すべてLED用に切り替える方針を表明した。照明器具のLEDへの切り替えはどんどん進んでいる。

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