2024年 5月 1日 (水)

内臓脂肪と長生きの意外な関係 謎の「長寿ホルモン」はこう増やせ

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【ためしてガッテン】(NHK)2015年10月28日放送
「長寿ホルモン大放出! 動脈硬化メタボ糖尿病 一挙解決SP」

   1990年代にお茶の間の人気者だった100歳の双子姉妹、きんさん・ぎんさん。ぎんさんが2001年に108歳で亡くなった時、健康長寿の秘密を探るため、生前の希望で病理解剖が行われた。その結果、驚くべきことがわかった。血管や内臓は20歳以上も若々しかったが、そのカギを握る、あるホルモンがたくさんあったのだ。「長寿ホルモン」だ。

   長寿ホルモンとは何か、それを増やすにはどうしたらいいのか、謎に迫る。

  • いつまでも仲良く長生きしたい
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ぎんさんの長寿の娘たちも平均の2~3倍あった

MCの小野文恵アナ「長寿ホルモンは誰でも持っていますが、きんさん・ぎんさんは特別に多かったのです」
MCの立川志の輔「ひょっとしたら不老長寿の元ですよ~。(ゲストたちに)ぎんさんの娘さんたちも長寿だって知っていました?」
ゲストの梶芽衣子・松村邦洋・山瀬まみ「ええっ、そうなんですか!」

   ここで名古屋市に住む3人の娘さんが登場。千多代さん96歳、百合子さん94歳、美根代さん91歳(年齢はいずれも番組放送時)。みなさん元気だ。病院で3人から採血して長寿ホルモンの量を測った。日本人の平均値は8~10(マイクログラム)だが、なんと3人の値は千多代さん=23.1、百合子さん=34.8、美根代さん=24.6と平均の2~3倍以上。スタジオ内は「わ~!」と騒然。

立川「遺伝とか、DNAとかが関係しているんですか?」
小野「遺伝が3割、生活習慣が7割といわれています。長寿ホルモンは、正式にはアディポネクチンといいます」

   アディポネクチンは、日本の研究チームが1995年に約600万種の「長生きホルモン」の候補の中から発見した物質だ。肥満したマウスのエサに投与すると、他のマウスの2倍も長生きをした。血管の修復、糖尿病の改善、血糖値の抑制、さらに最近ではがん予防に効果があることがわかっている。

小野「アディポネクチンを分泌しやすい人と、しにくい人のタイプがわかっています。アディポネクチンは女性の方が多く、男性ホルモンがアディポネクチンを抑制していると言われます。ここで100人の方に協力してもらいました」

諸悪の根源・内臓脂肪から分泌される

   番組では、「大学柔道部員」「中学サッカー部員」「ランナー」「囲碁好き中高年」「劇団員」「医師」「入院患者」「老人ホーム居住者」「絵手紙教室の生徒」などのグループ別に計100人を集めて、アディポネクチンの量を測った。はたして、どの人々がたくさん持っているだろうか?

   まず少ないワースト順から「柔道部員」「医師」「患者」......。多いベスト順位では「老人ホーム」「劇団員」「絵手紙教室」「ランナー」......。

松村「わかった!ストレスが多い人は出る量が少なく、ストレスのない人がたくさん出る。劇団員は夢があるし、老人ホームや絵手紙はのんびりしている」
小野「そのとおり。一番低い人は40代の男性AさんとBさんでした。この2人には共通点があります。喫煙者だということです。タバコが一番悪いのです」

   小野アナが模型でアディポネクチンのメカニズムを説明した。お腹の中の内臓脂肪の細胞から分泌され、血管を通して全身にいきわたる。

立川「これまで内臓脂肪は、番組の中でずいぶん悪者扱いをして、減らせ、減らせと言ってきたじゃないですか」
松村「(大きなお腹をさすり)僕はいっぱい持っているということですか?」
小野「(模型を見せながら)違います。太るというのは脂肪の細胞の数が増えるのではなく、1つ1つの細胞がパンパンに膨らむことです。すると、細胞と細胞のすき間の血管をギュッとつぶして、ホルモンが出なくなってしまいます」
立川「やはり運動をして、メタボにならないことが大切なわけですね」

「いよ~!」「わっはっはっは!」で夢のホルモンが

   ここで、専門家4人に集まってもらい、3週間という短期間でアディポネクチンを簡単に増やす方法を議論してもらった。糖尿病のエキスパート、芳野原・東邦大名誉教授、アディポネクチンの発見者の1人、中野泰子・昭和大学教授、運動のプロ、大平哲也・福島医科大教授、脂肪細胞が専門の柴田玲・名古屋大特任講師だ。4時間の激論の末、まとまったエクササイズを、4人を代表して柴田講師がスタジオで実演した。名付けて「壁ネクチン体操」。ネクチンには「くっつく」という意味があるという。方法はこうだ。

   (1)基本姿勢:家の中の壁に背中をくっつかせる。後頭部、肩、尻をピッタリ張り付けて、お腹に力をこめる。けっこうお腹に力が入り、内臓脂肪が刺激されポカポカしてきて、血流がよくなる。3分間。

   (2)ひねり運動:背中を壁から離し半歩前に出て、体を大きく左右にねじりながら右手で左側、左手で右側の壁をタッチ。計30回。

   (3)羽ばたき運動:壁にくっつき、両手を壁から浮かさずに鳥が羽ばたくように上下に動かす。3往復。

   (4)基本姿勢:再び壁に張りつく。3分間。

   (5)笑う深呼吸:両かかとを合わせ、両膝を開くようにしっかり曲げて腰を落とす。次に、両手をまっすぐ上にあげながら、「いよ~っ!」などと大きな掛け声を出す。左右から手を下ろし、膝を伸ばしながら「わ~はっはっは!」と大声でわらう。肩を壁につけながら肩甲骨を動かすと、首や肩周りの筋肉が脂肪を燃焼する。大声を出し、笑うことでお腹に力が入り、内臓脂肪が活性化し、アディポネクチンがどんどん出てくる。3回。

   これを朝夕2回、計10分間毎日続けるといい。「壁ネクチン体操」を実演した松村がこう言った。

「これなら家でもできて、スッキリと気持ちがいい。『仕事の壁にぶつかる』ではなくて、『壁』という言葉がいいことに思えるのがうれしいです」
小野「以前は『壁ドン』が流行しましたが、これからは『壁ピタ』ですネ」
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