2024年 5月 6日 (月)

瞑想が「長生き遺伝子」の働き活発化 減量や定期的運動しなくても...

   座禅やヨガなど東洋で生まれた瞑想法が欧米に広がり、その健康効果に関する研究が盛んに行なわれている。

   瞑想を行うと遺伝子のレベルにもいい影響を与え、特に「長生き遺伝子」といわれる「テロメア」の老化を防ぐという研究結果を、米マハシリ大学のロバート・シュナイダー博士らがまとめて、2015年11月16日付米科学誌「プロスワン」(電子版)に発表した。

  • 5000年の歴史のあるヨガの力は現代医学でも証明されている
    5000年の歴史のあるヨガの力は現代医学でも証明されている
  • 5000年の歴史のあるヨガの力は現代医学でも証明されている

「いのちの回数券」を使い果たすのをストップ!

   テロメアとは、遺伝子の染色体の末端についているキャップのような構造体。私たちは、細胞分裂によって新しい細胞を作り、命を維持している。細胞が分裂すると染色体が同じようにコピーされるが、末端にあるテロメアだけはコピーされず、細胞分裂のたびに短くなる。テレモアが短くなると老化が進み、最終的にテロメアがなくなると、細胞は分裂をやめ、死んでしまう。

   テロメアが長い人ほど長生きをするといわれ、テロメアが「細胞分裂の回数券」とか「長生き遺伝子」と呼ばれる由縁だ。このテロメアを伸ばして老化を防ぎ、心臓病や脳卒中などの死亡率を下げる働きをするのが「長生き酵素」と呼ばれるテレメラーゼだ。100歳を超える人々の研究では、長寿者にはテレメラーゼの量を増やす遺伝子変異が多いことがわかっている。最近のアンチエイジング医学では、テロメアとテレメラーゼが寿命のカギを握っているとして注目されている。

「心血管疾患の予防に、ぜひ瞑想を勧めたい」

   研究チームは、重度の高血圧症の男女48人を集めて、(1)毎日瞑想を行い、あとは基本的な健康教育の授業を受けるだけのグループ(2)厳密な減量や減塩のプログラムを受け、定期的な運動を行うなど厳しい生活改善に取り組むグループ、の2つに分けた。

   4か月後、2つのグループのテレメラーゼの量や血圧などを測ると、両グループともテレメラーゼが増えて血圧が改善した。両者の間に数値の差がなかった。瞑想が厳しい生活改善プログラムと同じ効果をもたらしたわけだ。

   シュナイダー博士は「今回の結果は貴重です。瞑想が、テレメラーゼを増やす遺伝子のレベルにまで影響を与えたことがわかりました。心血管疾患の予防に、ぜひ瞑想を勧めたい」と語っている。

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中