2024年 5月 8日 (水)

東京で若者の「自殺」が深刻化している 10~30代では「死因」のトップに

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東京では新年度を前にした3月の自殺者が最も多い

   一方、こうした若者の自殺の背景に、過重労働を強いたり、残業代を支払わなかったりする「ブラック企業」の存在を指摘する声は少なくない。アルバイトに過剰な労働を強いては責任を押しつける「ブラックバイト」もある。

   たとえば、大学入学と同時に上京。生活に慣れないうちにアルバイトで学費や生活費を稼ぐが、仕事に疲れて学業が疎かになり、しだいに身体的にも精神的にも大きなダメージを負ってしまうケースはよく耳にする。

   東京都の自殺者を月別でみると、新年度を前にした3月が約10%と最も多く、次いで1月の9.2%、ゴールデンウイーク明けの5月(8.9%)、6月(8.8%)と続く。

   過重な勤務がきっかけで、命を絶つケースは少なからずある。厚生労働省によると、2014年度に全国で認定された過労死は121件。この5年は120件前後で推移しているが、一方で過労自殺(未遂を含む)は14年度に99件と過去最多になり、10年前の2倍以上に急増した。しかも、99件のうち20~30代が42件と半分近くを占めている。

   リーマン・ショック後の不景気のときには、働き盛りの中年男性が過重労働による心臓疾患などで急死したり自殺したりするケースが多かったが、アベノミクスによる回復基調を背景に中年男性の過労死や自殺が減り、最近は若者が精神的に苦しみ、うつ病を発症して死に追い込まれる「過労自殺」が増えているとされる。

   労働問題に詳しいジャーナリストの小林美希氏は、「企業が人材育成に人や時間を割かないこと。それが勢い、パワハラなどにつながっています」と指摘する。

   さらに、「最近は売り手市場なので学生優位にみえますが、大手企業はまだまだ強気です。入社してみて、『こんなんじゃなかった』ということもあります」と、若手社員と企業のギャップが広がっているともみている。

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