2024年 4月 24日 (水)

「民進党は嘘つき、アホ、バカ」と国会質問した「維新」議員 首相も認めた?自称「ヤジの帝王」発言の中身

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   国会審議の場で他党のことを「嘘つき、アホ、バカ」などと公然と罵倒するという異例の出来事が起きた。委員長からは「良識の範囲内」で発言するように再三にわたって注意を受けたが意に介さなかった。

   「本題」の政策に関する質問はほとんど行わず、持ち時間の大半を民進党と共産党の批判に費やすという有様だ。この人物、過去の夕刊紙の取材では自らを「ヤジ帝王」だと表現するほどの人物で、まったく批判を意に介していない様子だ。

  • 大阪維新の会の足立康史衆院議員は、民進党について「アホ」と繰り返し非難した(衆議院インターネット審議中継より)
    大阪維新の会の足立康史衆院議員は、民進党について「アホ」と繰り返し非難した(衆議院インターネット審議中継より)
  • 民進党の岡田克也代表は、あまりコメントしたくない様子だった
    民進党の岡田克也代表は、あまりコメントしたくない様子だった
  • 大阪維新の会の足立康史衆院議員は、民進党について「アホ」と繰り返し非難した(衆議院インターネット審議中継より)
  • 民進党の岡田克也代表は、あまりコメントしたくない様子だった

「アホはダメなんですか? 理事会で検討を」

   発言の主は、おおさか維新の会に所属する足立康史衆院議員(比例近畿、50歳)。2016年4月7日に行われた総務委員会で質問に立ち、冒頭から民進党の安全保障関連法への対応をやり玉にあげた。

「だいたいね、廃止法案が対案だと言って胸張ってる民進党って、アホじゃないかと思いますね、ほんとに。あのね、アホです、アホ。あのね、あほはダメ?じゃあ、うそつきって言ったらいいんですか?うそつき、うそつき、うそを塗り固めた」

   民進党の山尾志桜里政調会長は4月5日の衆院本会議で、自民党が14年12月の衆院選で環太平洋経済連携協定(TPP)への反対姿勢を示していたことを「うそ」だと批判していた。他の議員からヤジが飛ぶ中、足立氏は山尾氏の発言を念頭に、遠山清彦委員長(公明)を

「うそはいいんですか?うそは。アホはダメなんですか?委員長、これ、理事会で検討してくださいよ」

と挑発した。遠山委員長は苦々しい表情で

「国民の代表として立法府の委員会にふさわしい良識の範囲内で適切な表現に十分配慮してご発言いただきたい」

などと繰り返し注意したが、「火に油」状態だった。

「こんな政党は、本当に日本の国会の恥ですよね」

   勢いは止まらず、

「こんな政党は本当にね、もう、国会の、もう本当に何と言うのかな...、もう、本当に日本の国会の恥ですよね、恥。嘘つき、アホ、バカ、もう、どうしようもない政党です」
「民主党と共産党が言っていることを認めたら、日本の国会はムチャクチャになりますよ、日本の国もムチャクチャになりますよ。実際にあの民主党政権の3年間で福島も沖縄もムチャクチャになったでしょう?それを私は皆さんに分かるように言ってるんです。それだけですよ」

などと独自の主張を展開した。

   この時点で、20分の持ち時間のうち約14分が経過した。

   「本題」のマイナンバーに関する質疑に移っても、引き続き「アホ」という単語が登場した。質問は、日本年金機構の情報流出問題を受け、マイナンバー制度と基礎年金番号をヒモ付ける時期を延期した経緯についてだったが、その中で

「自公政権はね、こんなことやりたくなかったんですよ。ところが民主党のアホがね、民主党の藤本コウジさん(編注:藤本祐司参院議員のことを指すとみられる)というね、ぼく、よく知りません。見識のない議員がね、修正法案を出したんですよ、民進党が!」

とまくし立てた。

夕刊紙では「安倍総理からは、影響力があるとほめられた」

   この問題をめぐって、民進党は4月8日に懲罰動議を衆院事務局に提出する事態となり、おおさか維新の遠藤敬衆院議員は同日の衆院議院運営委員会理事会で発言を陳謝。足立氏を呼んで注意したことを明らかにした。

   民進党は、「おおさか維新」とたもとを分かった旧「維新の党」と民主党が合流して発足した。そのため、「おおさか」側には組織として民進党を嫌悪する体質があるとの見方がある。

   この点について、民進党の岡田克也代表は4月8日夕方の記者会見で

「そこは分かりませんので、代表がいちいち細かく言うことなのかな、という感じはする。ご本人が勝手に言ったことだと想像するが、でもそういうことが放置されている意味では党にも責任があると思う」

と話し、あまりコメントすらしたくない様子だった。

   足立議員本人は「どこ吹く風」といった様子だ。ツイッター上の「人にアホいう言う奴こそがアホじゃ!」という声に対して、4月7日深夜、「そのまま、お返します!」と返信。翌4月8日の理事懇談会で民進党の委員から発言を批判されると「不愉快な思いをさせたとすれば陳謝したい」などと述べたが、議事録を読み返しても事実誤認はないと主張した。

   足立氏は、16年3月12日付(11日発行)の日刊ゲンダイで、自らについて「僕はヤジの帝王」との認識を示した上で、

「安倍総理からは、直接『足立さんのヤジは影響力がある』とほめられましたよ」

と話したという。

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