2024年 4月 28日 (日)

賭博バドミントン2選手に「温情措置」はありか 「カジノ法案」の行方も複雑にからんで......

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   違法カジノ出入りが発覚したバドミントン男子の2選手について、ネット上は厳しい意見が多いが、関係者からは温情措置を訴える声も出ている。特に、リオ五輪金メダル候補だった桃田賢斗選手(21)は、その処遇が焦点になっている。

   東京都内で2016年4月8日午後に行われた2選手の記者会見は、報道陣約200人が集まるほどの熱気になった。

  • 硬い表情で会見する桃田賢斗選手(右)ら
    硬い表情で会見する桃田賢斗選手(右)ら
  • 硬い表情で会見する桃田賢斗選手(右)ら

記者会見は、報道陣約200人が集まるほどの熱気

「自分自身いけないことだと分かっていましたが、止められない自分がいて...」「ギャンブルをするスリルで、感覚がおかしくなっていました」

   ロンドン五輪元日本代表の田児賢一(26)と桃田賢斗の両選手はそれぞれ、記者の質問を受けて、こう声を振り絞った。 所属先のNTT東日本の調べによると、田児選手は2014年10月~15年3月、警視庁に摘発された東京都墨田区内の闇カジノ店を月に10回ほど訪れた。誘われて一緒に行った桃田選手も、1月まで計6回通っていた。田児選手だけは、その後の15年5月~16年1月も、同じ経営者による横浜市内のカジノ店に月数回通っていたという。

   店では、バカラ賭博などに1回数万~数十万円を賭け、田児選手は計60回で総額1000万円、桃田選手は6回で総額50万円の負けを出していた。

   2選手は、この騒ぎで体調不良を訴えているといい、会見でも、硬い表情で時々沈黙することが多かった。田児選手は、自らが桃田選手を誘っただけに、「本来なら自分が止めないといけない立場で、そういう責任があった」と認め、「もう一度桃田にチャンスを与えてやってほしい」と涙ながらに訴えた。

   リオ五輪のメダル候補だった2選手には、関係者からは、何とか温情措置が取れないものかとの声も漏れている。

   報道によると、日本バドミントン協会の銭谷欽治専務理事は、「非常に残念」と報道陣の質問に涙ながらに答え、2選手についてリオに推薦するのは難しいとの見通しは示した。

「実力があろうとダメ」ネット上は厳しい声多く

   一方で、銭谷欽治専務理事は、世界ランキングで2位にも入っている桃田賢斗選手はポテンシャルが高いとして、「選手生命も視野に入れて適切な処分を行いたい」と配慮する意向も示した。

   テレビのワイドショーなどでも、メダル候補だった桃田選手らについて、キャスターらから五輪選考漏れの見通しについて残念がる声が出ている。作家の室井佑月さんは、4月7日放送のTBS系「ひるおび!」で、「若いころからずっと努力し続けてきて、代表選手になるまでになった」として、「厳重な注意くらいで終わりにならないかな」との感想を漏らしていた。

   さらに、今国会で成立の可能性は少ないものの、与党などがカジノ法案を国会に提出したこともあり、国際カジノ研究所長の木曽崇さんはツイッターで、

「野球選手の野球賭博はアスリートとしてアウトだと思うが、バトミントン選手が裏カジノ賭博で選手生命絶たれるっちゅうのは、少し同情せざるをえない」

と発言した。

   ネット上では、「凶悪事件じゃあるまいし責任が過剰すぎる」などと擁護する向きもあるが、厳しい意見の方が多い。

「実力があろうとダメだと思います」
「自業自得としかいいようがない」
「厳しい処分もしょうがない」

などと書き込まれている。

   ただ、次の東京五輪については、反省して出直せば復活はあるかもしれないとの声は多かった。

   なお、NTT東日本の奥本雅之バドミントン部長は、8日の会見に同席し、2選手のことは調査中だとして、「規定に則って厳正に対処したい」と明かした。処分には、注意から解雇まであるが、賭博という不法行為で社会への影響も大きいことから、「かなり厳しい処分にならざるをえない」という。ただ、今回は、ほかにOBを含め男子選手6人も賭博行為をしていたことも分かっており、それを勘案して決めるとしている。

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