2018年 8月 14日 (火)

めまい放置したら突如バッタリ卒倒 予防のカギは「寝返り」「ジャンプ」

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【チョイス@病気になったとき】(Eテレ)2016年7月9日放送
「何とかしたい めまいの悩み」

   フラフラ、グルグル、クラクラ・・・多くの人が経験しているだろう「めまい」。すぐに収まる軽いものもあるが、命にかかわる病気が隠れている場合もある、実は恐ろしい症状だ。

   番組では、放置してはいけないめまいの症例と、すっきり解消する対策を紹介した。

  • めまいを放置しないで(写真はイメージ)
    めまいを放置しないで(写真はイメージ)

朝起きた瞬間、まっすぐ歩けないほどのめまい

   大阪府の田中さん(30、仮名)は2016年2月、このまま死んでしまうのではと思うほどのめまいに襲われた。

   それまでにも数か月に一度ほど、頭を動かした時に天井がグルグル回るようなめまいを感じていた。1分ほどで収まっていたため、疲れから来る症状だと思い、病院には行かなかった。

   ある日の朝、目が覚めて起き上がろうと頭を揺らした瞬間、そのままバタンと前に倒れてしまった。吐き気に襲われ、まっすぐ歩けない。近所の総合病院に緊急入院してめまいを抑える薬を点滴、症状は一旦おさまった。

   その後耳鼻咽喉科を受診すると、「良性発作性頭位めまい症」と診断された。めまい疾患で最も多い病気だ。

   人間の体のバランスは耳の奥の「内耳」の働きで保たれている。特に重要な働きをするのが「三半規管」と「耳石器」だ。

   ここはリンパ液という液体で満たされていて、三半規管は中を通る液体の流れを、耳石器は耳石という石の動きを感知し、頭の動きや傾きを脳に伝えている。

   耳石は小さな粒子が集まってかたまっているもので、ちょっとした刺激や老化ではがれやすい。通常は吸収、再生されるが、はがれた耳石が一か所に集まって大きくなり、三半規管へ入ってしまうと、リンパ液の中で実際の頭の動きとは無関係の流れを作ってしまう。すると、頭は止まっていても揺れているという信号が脳に送られてしまい、視界が回転するような激しいめまいが起こる。

   病院で耳石を元の位置に戻す数分間の治療を施せば、8~9割の患者は症状が改善する。田中さんもこの治療で激しいめまいが起こらなくなったという。

   三半規管の中の「クプラ」というゼラチン状の部分に耳石がくっついてしまうと、病院での治療が難しくなる。この場合、壁から半歩ほど離れて壁に片手をつき、耳に入った水を抜く時のように首を傾けて片足でジャンプする。左右10回ずつ、1日1回以上気付いた時に行うと改善が期待できる。

   再発率は2~3割と高いが、「寝返り運動」が予防になる。

   枕に頭を乗せ仰向けになり、10秒数えたら体ごと右を向いてまた10秒。仰向けに戻って10秒、左を向いて10秒、また仰向けに戻る。これを朝起きた時と夜寝る前、1日2回10セット行うことで、耳石が一か所にかたまりにくくなる。

   そのほか、首が痛くならない程度に枕を少し高めにする、耳石の主成分であるカルシウムを摂取し、ビタミンDやビタミンKとあわせて吸収率をアップさせることも対策になる。

プールでの運動で症状改善

   神奈川県で工務店を営む佐藤邦之さん(42)は3年前、仕事中に飛行機や登山で高所にのぼった時のような違和感を、突然右耳に覚えた。

   日常生活には支障がなかったため様子を見ていたら、4日後の早朝、布団から立ち上がろうとした時に激しいめまいを発症。さらに、右耳の、主に低音の聞こえが悪くなった。

   その後、立っての移動がほぼ不可能になるほど悪化し、ひどい時には半日めまいが続いた。病院にかかると「メニエール病」と診断された。

   内耳には「蝸牛(かぎゅう)」という器官がある。外リンパ液と内リンパ液という液体で満たされていて、耳から入ってきた音を液体の振動に変えて脳に伝える役割を担っている。メニエール病は、内リンパ液がたまりすぎてしまう病気だ。原因はまだ解明されていないが、過度なストレスがかかった後、ほっとした時に発症しやすい。

   メニエール病は、数分でめまいが収まる良性発作性頭位めまい症と違い、10分以上めまいが続く。耳鳴り、耳がつまった感じ、耳の聞こえが悪い症状をともなうことも多い。

   進行性の病気のため早期発見が重要で、治療が遅れると難聴が残る場合もある。違和感を覚えたら、できるだけ早く耳鼻咽喉科にかかるとよい。

   治療は利尿剤などの薬物や、ストレスをためないようにするといった生活習慣の改善指導が一般的だが、佐藤さんは「水分摂取療法」を実施している。

    水分が不足し体が脱水状態になると、脳から体内に水分をためこむ「バソプレッシン」というホルモンが分泌される。メニエール病の患者はバソプレッシンが内耳で働きすぎ、水分がたまりやすくなっている。水分を積極的にとることで、バソプレッシンが働きすぎない環境を作るのが水分摂取療法だ。佐藤さんは1年半ほどで症状が出なくなったという。

   水分を多くとると心臓と腎臓に負担がかかるので、必ず専門医の指導のもと行う。自己判断で行うのは厳禁だ。

   北里大学医学部・神経耳科学の長沼英明教授は、中耳炎が起きていない患者にはプールでの水中運動を勧めている。

   体に水圧がかかると、静脈から心臓に戻る血液量が増える「静脈還流」が起こる。心臓がしっかり収縮し、耳も含め全身の血流がよくなり、改善が期待できる。

   このほか、「顔や手足のしびれ・まひ」「ろれつが回らない」「ものが二重に見える」「立てない・歩けない」症状をどれか一つでもともなうめまいは、脳出血、脳腫瘍、脳梗塞など、命にかかわる脳の病気が疑われる。すぐに救急車を呼び、脳神経外科か神経内科を受診しよう。

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