2024年 4月 29日 (月)

「世界ラリー選手権」復帰のトヨタ 90年代「日本勢黄金時代」再来なるか

さらなるブランドイメージの向上に成功するか

   しかし、18年ぶりにWRCに参戦するトヨタが、復帰初年の2017年からトップ争いを演じるほど、WRCは甘くないという見方が一般的。強豪VWやシトロエンはマシン開発と熟成、ドライバーの実績とも一日の長がある。VWは「ヤリスはVWにとっても手強いライバルとなるだろう」とコメントしているが、トヨタといえども初年のスタートダッシュは至難の業だろう。

   かつてWRCはトヨタ、スバル、三菱など日本メーカーがワークス参戦し、1990年代に黄金時代を築いた。トヨタは1990年と1992年にカルロス・サインツがセリカGT-FOURでドライバーズタイトルを獲得。1993年にはユハ・カンクネン、1994年にはディディエ・オリオールが、それぞれドライバーズタイトルとマニュファクチャラーズ(製造者)タイトルの2冠を達成。1999年にカローラWRCが3度目のマニュファクチャラーズタイトルを獲得した後、トヨタはF1参戦を機にWRCから撤退した。

   マニュファクチャラーズの優勝回数はスバルが通算47回でトップ。トヨタが43回、三菱が34回と続く。スバルは1995年から1997年までインプレッサWRXで3年連続チャンピオンとなった。

   WRCはレーシングカーと異なり、市販車のイメージを強く残すマシンで戦う。欧州では人気があり、マーケティング効果も高い。スバルインプレッサの活躍が、欧州におけるスバルのブランドイメージを飛躍的に高めたように、世界を転戦するラリーカーは、走る広告塔でもある。韓国の現代がWRCに参戦したのは、同じ極東のメーカーであるスバルが欧州で名声を高めたことに習ったと言われている。

   果たしてトヨタはWRC復帰で、さらなるブランドイメージの向上に成功するか。参戦の真価が問われることになる。

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