2024年 5月 19日 (日)

トランプ相場で円安111円台 まだ続く?見方は真っ二つ

米の利上げ観測が一段と強まる

   米国との金利差拡大でユーロも、円ほどではないが、ドルに対し値下がり。さらに深刻な影響を受けているのが新興国通貨で、米金利上昇により、新興国の株や債券に投じられてきたマネーが米国へ還流する流れになった。中国・人民元が2008年12月以来の元安水準を記録。当局の規制がある中国は、それでもまだましで、メキシコ・ペソ、南アフリカ・ランド、トルコ・リラ、ブラジル・レアル、マレーシア・リンギなどは米大統領選後に6~10%程度下落するなど、通貨安が加速している。これらの国では、全般的に景気がパッとしない中で、通貨防衛のため利上げを迫られる恐れがある。

    トランプ新政権の政策とも絡んで注目される米連邦準備理事会(FRB)は、12月利上げ観測が一段と強まっている。イエレンFRB議長は11月17日の議会証言で実施を示唆。トランプ氏の経済政策で財政支出が増えるとして、将来のインフレ予測も強まりつつあり、2017年以降の利上げペースが早まるとの声も出始めている。

   ただ、過熱する「トランプ相場」は、期待先行と言え、市場も行方は見極めかねている。財政拡大を材料に、米長期金利の上昇は「来年末まで続く」(外資系証券)、「足元で一服感も見られ、さらに上昇していくよりは現状の水準で落ち着きどころを探る」(大手証券)など見方は分かれる。

   新興国からのマネーの逆流は、「やがて先進国の景気に跳ね返ってくる」(大手銀行)との警戒が世界に広がる可能性もあり、米国第一を掲げるトランプ政権が、こうした懸念にどうこたえるか。当面、財務長官をはじめとする経済閣僚の人選に世界の注目が集まる。

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