石原氏「文字忘れ」てもワープロ打ち あり得る?脳神経外科医に聞いた

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   豊洲市場移転問題をめぐる都議会百条委員会で、証人喚問に応じた石原慎太郎・元東京都知事(84)は、脳梗塞の後遺症に悩まされており、「すべての字を忘れました」「記憶を思い出せないことが多々あります」と発言した。

   ただ、「字を忘れた」一方で「ワープロで書いている」と述べたり、質問に対して「記憶にありません」と繰り返しながら対話自体は問題なくできていたりしたことから、インターネット上では「ワープロは字が分からないと使えないと思うんですが」「『記憶にございません』作戦に出たぞ」などと石原氏を疑う声も出た。実際、石原氏のような症状はあり得るのか。脳神経外科医に聞いた。

  • 冒頭で「患部が右側の頭頂部だった」と述べた石原慎太郎氏(画像は百条委員会の証人喚問中継映像)
    冒頭で「患部が右側の頭頂部だった」と述べた石原慎太郎氏(画像は百条委員会の証人喚問中継映像)

証人喚問で「2年ほど前に脳梗塞を患いまして」

   石原氏の証人喚問は2017年3月20日に行われた。冒頭、石原氏は自身の抱える症状を話した。

「私、2年ほど前に脳梗塞を患いまして、いまだにその後遺症に悩んでおります。現に利き腕の左腕が使えず、字も書けませんし、絵も描けません。患部が右側の頭頂部だったために、その近くの『海馬』と言う記憶を埋蔵している箱のようなものですが、これがうまく開きません。それで残念ながらすべての字を忘れました。平仮名さえ忘れました。物書きですから、何とか、ワードプロセッサーを使って書いていますけど、そういう点で記憶を引き出そうとしても思い出せないことが多々あります」

   都議からの質問に入ると、石原氏は「記憶にありません」との回答を繰り返した。東京ガスの上原英治・元社長との面会の事実についても「色々な人と会っているので記憶にございません」とした。一方で「豊洲より、三多摩のどこかに市場を作ったらと言ったら一笑に付された」と具体的な状況を話す場面も見受けられた。

   石原氏の様子は、一部の視聴者らから疑問を持たれた。ツイッター上では、「字を忘れた」としながらワープロで字を書いている点に「ワープロは字が分からないと使えないと思うんですが」「こんな明らか過ぎる嘘」などと批判が出たほか、「『記憶にございません』作戦に出たぞ」と揶揄する声もあった。

   実際、脳梗塞の後遺症で石原氏のような状態になり得るのか。「内科・脳神経外科 西原クリニック」(東京都足立区)院長の西原哲浩医師は21日、J-CASTニュースの取材に対し「文字を書けなくても、ワープロで打つことはできる状態は、脳梗塞の後遺症としてあり得ます」と話す。

「(石原氏が言う)『文字を忘れた』というのは『文字の書き方を忘れた』という意味ではないかと推測されます。石原氏は宣誓書を読んでいましたよね。なので、書けないけれど読むことはできるという状態だと思います」

   文字を見て読めるということは、ワープロのようにキーボード上の文字を見て確認できるものならば、文字を打つことが可能ということになりそうだ。

西原医師「石原氏は『失書』の状態ではないかと思います」

   西原医師は「石原氏は『左腕は動かない』としつつも、完全にマヒした状態ではなく多少は動かせるように見えました」として、こうした症状から

「石原氏は『失書(しっしょ)』の状態ではないかと思います」

と推測した。文字を書いた際に誤字や脱字が目立ったり、ひどくなると文字が書けずデタラメな筆記になったりする状態だという。仮にその場合「筆記はできなくても、ワープロで打つことはできますし、会話もできます。これも失書の特徴です」と話す。

   「失書」の可能性は、左利きである石原氏の脳梗塞の患部が「右側の頭頂部」だったことからも推測できると西原医師は言う。左利きの人は脳の右側に言語を司る部位がある場合が多いとし、そこに疾患が生じたことから「失書」になったと説明も可能だという。

   一方で、記憶がなくなるという点については「脳梗塞の影響かどうかは分かりません」という。西原医師によれば、もし海馬のすべてが機能しなくなっていたらそもそも話すこと自体できなくなるが、石原氏については会話や質疑応答は大きな問題なくできていた。西原医師は「脳梗塞が原因で、まだらに記憶が飛ぶかどうかは、はっきりと言いきれない部分がある」と指摘した。

   西原医師は「石原氏を直接診察していないので、すべて推測ではあります。ただ、百条委員会の証人喚問や、(3月3日に日本記者クラブで開いた)会見の様子を見る限り、こういった可能性は考えられます」と話していた。

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