東京新聞に「後ろから鉄砲玉撃つな」 河野外相、軍縮会議報道をブログで批判

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   スイス・ジュネーブで2017年8月に行われた軍縮会議本会議で高校生のスピーチが見送れたことをめぐる報道に、河野太郎外相が2017年9月16日未明にブログを更新し、「後ろから鉄砲玉」だと批判した。

   とりわけ、東京新聞の特報面の記事に掲載された政府対応を批判するコメントを引き合いに、

「それが事実でないことを東京新聞は知ってしまっているから、記者はそう書けないが、第三者が言ったコメントを載せるぶんには責任はないと考えたのだろうか」

などと批判した。現職閣僚がこういった批判を展開するのは異例だ。

  • 現職閣僚がブログで特定の記事を批判するのは珍しい(写真は外務省の会見動画から)
    現職閣僚がブログで特定の記事を批判するのは珍しい(写真は外務省の会見動画から)

高校生平和大使スピーチ見送りの理由めぐり...

   毎年8月に開かれるジュネーブ軍縮会議では、14~16年の3回にわたって、日本の高校生平和大使がスピーチしてきたが、17年は実現せず、8月22日(現地時間)に会議を傍聴するにとどまった。この背景について、8月19日に共同通信が

「関係者は『日本政府が署名しないと明言する条約について演説で言及されることを懸念したのではないか』と指摘した。ジュネーブ軍縮会議日本政府代表部は今年は軍縮会議の議事上、適当でないと判断した』と説明した」

と報じていた。

   一方、河野氏のブログの説明によると、ある国が日本政府に対して

「高校生を(スピーチを行う)代表団として登録することに明確に反対するという申し入れ」

を行い、軍縮会議の運営は参加国の全会一致(コンセンサス)で行われるにもかかわらず、その国は

「日本政府が高校生の登録を強行すれば、コンセンサスを与えないとまで主張してきた」

という。そのため、日本政府は高校生の代表団登録を断念したが、その代わりに高校生代表団のために夕食会を開き、

「そこに核兵器国、非核兵器国で核兵器禁止条約に賛成している国と反対している国など立場の違う国の代表を招いて、高校生から話をしてもらった後、双方向の議論を実現させた」

と説明。従来のスピーチが一方通行だったのに対して、

「今回は高校生平和大使全員が各国代表と双方向の議論をすることができた」

と成果を強調した。こうした事実は、外務省やジュネーブでメディアに対して説明されていたとして、河野氏がとくに批判したのが、東京新聞の8月23日の記事だ。

東京新聞記事の見出しには「河野外相 期待外れ?」

   河野氏はブログでは言及していないが、東京新聞の記事は特報面に

「こちら特報部 河野太郎外相 期待外れ?(上) 『異端児』『「改革派』の印象強いけど 核軍縮 意欲示したのに... 高校生平和大使の演説見送り『容認』」

の見出しで掲載された。

   記事では外務省側の説明を掲載した上で、平和大使OBの男性(25)による

「夕食会の場で話すのと、議事録に残る会議でスピーチするのとでは意味が全く違う。高校生は被爆者からバトンを託され、スピーチの準備をしてきた。核軍縮の議論を進めるうえで、被爆者の思いを受け入れることは不可欠なはずだ」
「高校生たちがスピーチで、禁止条約に触れることに危機感を覚えての対応ではないか」

という声を載せている。

   この記事の構成に、河野氏は

「それが事実でないことを東京新聞は知ってしまっているから、記者はそう書けないが、第三者が言ったコメントを載せるぶんには責任はないと考えたのだろうか」
「参加した高校生全員が立場の違う各国の代表と双方向で議論できるのと、一人だけが会議で一方的にスピーチをするだけなのでは、参加した高校生にとって意味合いが大きく違うはずだが、それを正確に伝えていない」

などと反発。高校生の代表団登録に反対した国への批判がないことにも違和感をにじませ、記事を

「まるで核兵器禁止条約は素晴らしいが、『核保有国もそうでない国も巻き込んで着実にこの脅威を減らす方向へ歩んでいくことを考える』のはけしからんことでもあるかのようだ」(『』は編集部で挿入)

と批判。「後ろから鉄砲玉を撃つ必要はない」と結んだ。

   なお、河野氏がブログで掲載したような高校生の代表団登録断念に至る経緯は、8月29日の外相会見でも説明され、東京新聞はその説明を8月30日朝刊で記事にしている。

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