2018年 11月 15日 (木)

白血病治療に糖尿病の薬が有効? カナダの研究者ら、新しい治療法を提案

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   白血病は赤血球や白血球、血小板などの「血液細胞」が骨髄で作られる際にがん化してしまう、いわゆる血液のがんだ。

   一般的にがんを治療するのであれば抗がん剤や放射線治療、外科手術によってがん細胞を殺したり、がん化した部位を除去したりする。しかし、2017年10月16日にカナダのマクマスター大学の研究者らによって糖尿病の治療薬で、白血病のひとつ「急性骨髄性白血病(AML)」を治療できる可能性があるとする研究結果が発表されたのだ。

   なぜ、糖尿病の治療薬でがんが治療できるのだろうか。

  • 既存薬に秘められた新たな治療効果があった?
    既存薬に秘められた新たな治療効果があった?

骨髄の脂肪細胞が破壊されていた

   研究を行ったのはマクマスター大学の幹細胞・がん研究所に所属するミック・バティア教授とアリソン・ボイド研究員らだ。

   バティア教授らは従来の白血病治療の研究ではがん化した血液細胞「白血病細胞」を標的にすることのみに焦点が当てられており、白血病細胞が存在する環境、つまり骨髄の状態には関心が払われていなかったことに注目。

   まったく新しいアプローチができるのではないかと考え、遺伝的に多様な34人のAML患者から骨髄のサンプルを収集し、その血液細胞形成過程を詳細に分析した。

   健康なドナーの骨髄サンプルとも比較しながら細胞の培養やマウスへの移植、試験管内での変化などを行ったところ、白血病細胞が骨髄の中に存在する「脂肪細胞」を破壊しており、これによって骨髄が機能不全を起こし正常な赤血球が作られなくなっていることがわかったのだ。

   また、その逆に脂肪細胞が十分に存在している健康な骨髄では白血病細胞が抑制され、がん化しなくなっていることもわかった。

   これらの観察結果からバティア教授らは「白血病患者の骨髄脂肪細胞を回復させれば、白血病細胞を死滅させ、再発も抑制できるのではないか」と推測。脂肪細胞を活性化させ血糖値を低下させる作用を持つ2型糖尿病治療薬「PPARγ」を、人為的にAMLを発症させたマウスに投与した。

   その結果、マウスの脂肪細胞は回復し、正常な血液細胞形成機能も再生。白血病細胞は死滅し、再発も抑制されていることが確認されたという。

   バティア教授は

「今回の発見は健康細胞を補強し、患者の赤血球も回復させ感染症リスクを押さえながらがんからの回復を目指すことができる可能性を示している。患者に効果の期待できる新しい治療選択肢を提供できるかもしれない」

   とコメントしている。

すでに人で安全性も効果も確認された薬

   今回の研究で興味深いのはその成果だけでなく、糖尿病の治療薬というすでに存在している薬で効果が期待できる可能性がある点だ。

   一般的に完全な新薬であれば人へ投与した場合の安全性や有効性を検証する必要があるため、臨床試験を経て実用化するまでにはかなりの時間がかかる。しかし、今回のPPARγが人の脂肪細胞を活性化させる効果をもつことや、人に投与しても安全であることは糖尿病治療で確認済みだ。

   つまり、今後AML患者で効果が確認できれば、すぐにも治療に用いることができるかもしれない。バティア教授も「PPARγを患者で試験する可能性について、私は興奮を覚えている」としたうえで、

「近い将来、新たな治療法として既存の標準治療に置き換えられ、骨髄移植の順番を待ち続けている人々に利益をもたらすかもしれない」

   と語っている。

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