2024年 4月 30日 (火)

外食は値上げ、小売は値下げ 「正反対の対応」のワケ

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人手不足で人件費上昇

   外食企業が値上げを決意した大きな理由は、人手不足を背景に、アルバイトやパートの時給が上がるなど、人件費が上昇していることだ。鳥貴族は、注文システムの改善など業務の効率化を進めているが、「人件費の増加に歯止めがかからない」と説明する。

   人件費の負担に苦しんでいるのは小売企業も同じだが、思い切った値上げにはカジを切れない。業界に詳しいある研究者は「小売企業は利益を追求するというより、同業者との競争に勝つことが最優先なのではないか」と指摘する。実際、値下げを行うことで一時的に客数が増えても、結果的に利益を圧迫する要因になりかねないとの見方は強い。株式市場では、外食企業が値上げを発表すると株価が上がるのに、小売り企業が値下げを発表すると株価が下がるという傾向もみられる。

   消費者の節約心理は大きいと言えようが、「目先の客数増しか考えず、理由のない値下げがまかり通るのは理解できない」と話す市場関係者も少なくない。

   総務省が発表した9月の全国消費者物価指数は、値動きの激しい生鮮食品を除くと100.3で、前年同月と比べて0.7%上昇し、9か月連続のプラスとなっている。デフレ脱却までの道のりは依然不透明だが、やや変化が現れつつあるのも事実だ。こうした中、小売り企業の値下げはどこまで続くのか、デフレとの動向も絡み、関心が集まっている。

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