2024年 5月 7日 (火)

日本海の北朝鮮担当空域を飛ぶのはロシアだけ ミサイル迂回で航空会社が数億~数十億円の負担増

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   北朝鮮が弾道ミサイルの発射を繰り返している問題が、日本海の空路にも影響を及ぼしている。本来ならば、韓国と米国に向かう際には、日本海の中でも北朝鮮が管制を担当している平壌FIR(飛行情報区)と呼ばれる区域を通るのが最短ルートだ。

   ただ、欧米の航空会社は相次いでこのルートを回避。国際機関も北朝鮮東側の空域を「危険地域」とする地図を一時期ウェブサイトにアップロードし、注意を呼びかけていたほどだ。

  • 米国と韓国の路線は平壌FIRが最短ルートだが…
    米国と韓国の路線は平壌FIRが最短ルートだが…
  • 米国と韓国の路線は平壌FIRが最短ルートだが…

15年には17か国の34社が平壌FIRのルートを利用

   国連の専門機関にあたる国際民間航空機関(ICAO)は2017年10月に開いた理事会で、北朝鮮の予告なしのミサイル発射が「地域の民間航空の安全に深刻な懸念を生んでいる」などとして、人工衛星などを打ち上げる際には事前通告することを定めているICAOの国際標準を守るように求める共同提案を全会一致で採択した。これは、北朝鮮は16年2月まではミサイル発射前に予定時刻や落下地点を事前通報していたが、ここ1年半ほどは予告なしの発射が続いているためだ。ICAOは17年5月末には「危険地域」を示した地図(現在は削除)をウェブサイトに掲載して注意を呼びかけるなどしていたが、北朝鮮は相変わらず予告なしのミサイル発射を続けている。

   韓国の朝鮮日報が12月13日に韓国の国土交通省の話として報じたところによると、15年には17か国の34社が平壌FIRのルートを利用していたが、16年には25社に減少。17年初めには16社に減った。

「今年の初めまで、米国、カナダ、フランスなど5か国の航空会社が平壌FIRのルートを通過していた」(国土交通省関係者)

というが、今はロシアの7社が利用するのみだ。

   平壌FIRを通らずに日本側に迂回した場合は運行時間が30~40分程度増え、燃料代が1社あたり年間で数十億~数百億ウォン(数億~数十億円)増えるという。欧米の航空会社からすれば、北朝鮮の脅威が原因で、新たに時間・燃料代の負担が増えたことになる。

   韓国の航空会社は、海軍哨戒艦「天安」が撃沈されたことに対する制裁措置の一環として2010年から平壌FIRの通過をやめており、日本の航空会社の便も平壌FIRは通過していない。朝鮮日報の記事では、

「事実上『空の道』が詰まり、航空会社の被害も大きくなっている」

と訴えている。

   平壌FIRを通過しないルートでも、17年8月ごろから日本と欧州を結ぶ路線で、日本海のルートを避ける動きが相次いでいる。

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