2024年 3月 19日 (火)

小平奈緒、「修正力」がすごかった 「金」の先輩がスタート直前の「ピクッ」を分析

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   平昌五輪スピードスケート女子500メートルで、小平奈緒選手がスタート直前に「ピクッ」と動いたのは何だったのか。長野五輪金メダリストの清水宏保氏が2018年2月19日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)で解説した。

   清水氏は「選手の心境としては迷いが生じる」とした上で、その後の小平選手の「修正力」を称賛している。

  • 平昌へ出発時の小平奈緒選手(2018年2月4日撮影)
    平昌へ出発時の小平奈緒選手(2018年2月4日撮影)
  • 平昌へ出発時の小平奈緒選手(2018年2月4日撮影)

「選手の心境としては『あれ、スタートやり直しになるのかな』」

   500メートル24連勝の小平選手だが、この日は少し気になることがあった。まず、サングラスの色が1000メートルの時と異なるブラックだったこと。19日の「モーニングショー」に出演した小平選手は「普段アップ用でかけているサングラスをレース用にかけなおすのを忘れていて、そのまま出ちゃいました」と笑った。「たぶんすごく集中していたと思います」と振り返った。

   同番組で、長野五輪スピードスケート男子500メートル金メダリストの清水宏保氏は、小平選手のサングラスの掛け替えを「ひとつのルーティンワーク」としたが、「それを変えるのを忘れるくらい集中できていた。大事だと言われているルーティンワークですが、ある程度枠組みを決めておいたら外れてもいい」と肯定的だった。

   そうして立ったスタートラインで、小平選手は一瞬ピクッと動いた。この理由について本人は「いつもより間合いが長いなと感じていて、自分も何かの音に反応してしまって、ピクッとなってしまいました」と、ピストルのタイミングにわずかに戸惑ったことを明かしている。

   清水氏はこのシーンについて「出遅れました」と解説した。

「一度ピクッと動いたことで、そのあとしっかり静止してちゃんとしたスタートになっているんですが、選手の心境としては『あれ、スタートやり直しになるのかな』と迷いが生じるんです。でも予定通りにパンッとピストルが鳴ったので迷いによって遅れてしまったんです」

   それでも、結果は五輪新記録の36.94秒で金メダル。出場選手中唯一の36秒台で、2位のイ・サンファ選手に0.39秒差をつけた。清水氏は小平選手のレース展開について話した。

「(出遅れを)しっかり最初の100メートルの中で修正していった。100メートルは決して出来がよかったわけではないんですが、しっかりタイムが出ています。その心と体のバランスが素晴らしい。体がちょっと遅れているんだけど、心が落ち着いている分、上回っていった。残りの400メートルは完璧ですよね。男子選手よりも速かったくらいです」
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