平昌冬季五輪で2018年2月24日のスピードスケートマススタートで金メダルを獲得した高木菜那選手(25)。韓国のキム・ボルム選手(25)が銀メダルだったため、韓国で表彰式の様子が生放送されたが、3大地上波の一つ、SBSが「君が代」を流した、と韓国内で批判が殺到している、との報道が出た。韓国では「君が代」は植民地時代を思い出す屈辱の歌、とタブー視する人がいるようだ。J-CASTニュースはSBS日本支社に「君が代」を流した意図などを取材した。「君が代初めて聞きました。それも地上波で」ポータルサイト「msn」韓国版に配信された「NewsEn」を含む複数の韓国のネットニュースによれば、地上波放送3社すべてが表彰式を中継し、SBSだけが「君が代」を流した。「君が代」が流れている間は、KBSはCMに切り替え、MBCはマススタート金メダルのイ・スンフン選手の競技場面を見せた。これが韓国内で物議を醸している。「君が代」は天皇の時代が永遠に続くように念願する歌詞が含まれていて、植民地時代の朝鮮総督府は皇民化政策のために一日に1回以上、日本の国旗掲揚と敬礼の後に必ず歌う事を教育に盛り込んだ。今回のことで、「私たちの民族の胸の痛む歴史そっくりそのまま盛られている曲だ」と説明するメディアもあった。韓国のツイッターには、「日本の国歌が演奏されています?いたずらか?何ですか?」「君が代初めて聞きました。それも地上波で」など驚いた、というツイートが出た。韓国で「君が代」はどんな扱いになっているのか。朝鮮日報日本語版(16年2月8日)にはKBSのドキュメンタリー番組製作者の起稿が掲載されていて、「日本の歌について放送関係者の間では『ある番組で日本の軍歌が流れ、視聴者から激しい抗議を受けた』『君が代が流れて大変なことになった』といったエピソードがよく聞かれる。日本の歌といえば軍歌や国歌(君が代)しか思い浮かばないという事実は、韓国国民がいかに日本の大衆歌謡から顔を背けてきたかを示すものだ」と書かれている。また、14年12月12日の同紙では、韓国放送通信審議委員会が12月11日、「JTBCのバラエティー番組『NONSUMMIT(非首脳会談)』にも警告を出した。この番組は7月と10月の2回にわたり、日本人出演者が登場した時に日本国歌『君が代』をBGMに使用、物議を醸した」と書いている。JTBCは衛星放送やケーブルテレビ向けの放送をしている放送局で、この警告によって番組関係者が処分を受けたとの報道があった。韓国ではSBSだけがなぜ「画像処理」をし「君が代」を隠さなかったのか、といった疑問も噴出している。J-CASTニュースは26日にSBSの日本支社に話を聞いてみた。SBSは「表彰式だから放送するのはあたりまえのこと」担当者によれば、「君が代」を流したのはSBSだけなのは事実だ、としたうえで、「批判殺到というのは間違いで、そのようなものは耳にしておりません」と語った。ただし、ネットの一部で問題視している記事や掲示板への書き込みがあるのは知っているが、それは数人でオンライン上で騒いでいるに過ぎず、「私たちが気にするような事柄ではありません」と切り捨てた。そして、「オリンピックに限らず、国際試合で優勝した場合は表彰式で、その国の国歌が流れます。そのため、どのような国であるか、という判断ではなく、表彰式はそういうものなので、その様子をそのまま放送するというのは、当たり前のことなんです」と担当者は話している。
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