2018年 7月 21日 (土)

「外国人名将」か「日本人監督」か 迷走協会、問われるW杯後の選択

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   次期サッカー日本代表監督の候補に、名門アーセナル(イングランド・プレミアリーグ)を22年率いたフランス人監督アーセン・ベンゲル氏(68)の名前が浮上した。一方、「日本人監督で」との意見が日本サッカー協会(JFA)内から出たとも報じられたばかりだ。

   「選手とのコミュニケーション不足」を理由にバヒド・ハリルホジッチ氏が解任された日本代表。新指揮官は、世界を知る外国人にすべきか、言語の障壁がない日本人にすべきか。

  • 解任されたバヒド・ハリルホジッチ前監督(2016年撮影)
    解任されたバヒド・ハリルホジッチ前監督(2016年撮影)

ベンゲル氏は「この国の率い方をよく知っている」

   フランスのテレビ局「TF1」ウェブ版は2018年4月22日、ベンゲル氏の新天地として日本代表があがっていると報道。ほかに中国代表、ドルトムント(ドイツ・ブンデスリーガ)、パリSG(フランス・リーグアン)の計4つの候補があるとしている。

   ベンゲル氏は世界最高峰のひとつ、プレミアリーグのアーセナルで長期政権を築き、リーグ制覇3回、国内戦のFAカップ制覇は7回という実績を誇る。02-03年はリーグ38戦26勝12分で無敗優勝の偉業も達成した。

   日本とも縁があり、アーセナルに入る直前の1995~96年、名古屋グランパスで監督をつとめていた。95年はJリーグ最優秀監督賞に輝き、天皇杯はクラブとして初優勝。低迷していたチームを復活させたのは、選手の長所を生かしつつ、徹底した組織戦術を植え付けたことにあるといわれる。

   上記記事では、名古屋を率いた経歴に触れながら、「ベンゲル氏は地球の反対側にあるこの国の率い方をよく知っている」と評価した。だが、ロシア・ワールドカップ(W杯)を2か月前にしたハリルホジッチ氏の解任にも触れ、「ここ数か月で日本の選択が示したレベルの低さは足枷になりそうだ」とも加えた。就任を打診されても、突然解任される憂き目をおそれて足踏みするかもしれないということか。

協会内では「日本人監督」ムードが

   一方、JFAでは23日、日本代表チームのマネジメントを担う技術委員会が開かれ、西野朗監督で臨むロシアW杯後も「日本人監督で」と求める意見が出たという。複数のスポーツ紙が24日報じた。

   これまで代表監督には、国際経験が豊富な外国人監督を起用してきた。アルベルト・ザッケローニ監督のもと惨敗した14年ブラジルW杯後は、さらに経験を重視し、「W杯での実績」を大きな指標とした。それがハビエル・アギーレ氏(02、10年にメキシコ代表で16強)であり、ハリルホジッチ氏(14年にアルジェリア代表で16強)だった。

   田嶋幸三会長はハリルホジッチ氏解任を発表した9日の会見で、今回はW杯直前という「緊急事態」であることを理由に、日本人ではあるが西野氏に後任監督を託すと説明した。西野氏は技術委員長として、ハリルホジッチ氏の近くで代表チームを見ており、内情を把握しているためだ。任期は「ロシアW杯まで」。

   「特例」という扱いに見えるが、田嶋会長は同会見で「もしこのロジック(W杯での実績を考慮)を続けると、岡田(武史)監督以外の日本人は(代表監督を)できないことになるので、クライテリア(基準)は考えないといけないと思っている」と発言。今後、長期的な日本人監督の起用も示唆していた。

   日本人監督を育てるべきではないかという意見は、元代表選手からも漏れたことがある。

カズやヒデも「日本人監督」論に言及

   ハリルホジッチ氏が日本代表監督に就任したのは15年3月。その直後となる15年4月12日放送のトーク番組「僕らの時代」(フジテレビ系)では、横浜FCの三浦知良選手(カズ)や中田英寿氏らが出演。ここでカズは、「日本サッカー協会が監督の人材を育てていかないといけない時期に来ていると思う。リスクはあるかもしれない。でも岡田さんしか監督としてW杯を経験していない」と発言した。

   長くイタリア・セリエAでキャリアを積んできた中田氏が、「他の国でも、通訳がグラウンドにいるところはほとんどない」と言語の壁の険しさを語ると、カズは「難しいよね。サッカー用語もそうだけど、感情や意味を伝えるのは。いま僕も(クラブが)外国人(監督)になったけど、本当に(言葉が)通じているのかなと思うときがある」と、自身も直面していることを明かした。

   また、中田氏は「W杯にある程度毎回出るのが当たり前になって、でもその先にいけないという中で、もう一回日本人監督を試していくのは良い機会だと思う」「ここから10年間は日本人でいこうとか、決めてもいいかもしれない」と提言。カズも、「経験がないと言っていたら、ずっと経験がないまま。どこかで経験しないと。まわりの支える人も、(日本人監督で)勝てなかったとしても我慢していかないといけない」と続けていた。

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