2024年 4月 23日 (火)

長崎地銀統合問題、金融庁と公取委のにらみあい出口見えず

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官房長官「政府全体で議論する必要がある」

   公取委は、企業の経営統合で競争上の問題が解消されないと判断した場合は、最終的に統合をやめさせる「排除措置命令」を出すことができる。今回の地銀再編についても、公取委の内部から「排除措置命令も視野に入れる」との声が出始めた。ただ、公取委が過去に命令を出したケースはなく、公取審査に通りそうにない場合、これまでは企業側が統合を自主的に断念している。公取委は今回も排除措置命令をちらつかせながら、ふくおかFGと十八銀による統合断念を待つ戦略ともいわれる。

   政府内で深まる対立をどうするのか。菅義偉官房長官は4月12日の記者会見で、地域金融機関のあり方について「政府全体で議論する必要がある」と発言した。金融庁の森信親長官は菅官房長官の信任が厚く、関係者の間では「官邸が金融庁の意向をくみ、調整に乗り出すのではないか」との見方も出ている。

   ただ、森友学園を巡る公文書問題などで安倍政権が大揺れに揺れる中、官邸も他の問題に割く余力が乏しいのが実情だ。ふくおかFGと十八銀は連休明けから、県内のすべての融資先に対し、借り入れを別の銀行に移すことが可能かどうか本格的な調整に入っている。県内の融資シェアを引き下げ、公取委の統合容認を引き出したい考えだが、融資先にとっても取引銀行を変えるのは大きな決断となるため、「強制できる話ではない」(地銀関係者)とあって、簡単には進みそうにない。こじれにこじれた統合問題は、さらなる長期化の様相を見せつつある。

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