2018年 8月 20日 (月)

山里亮太【6】「正義」を振りかざす恐怖
(ネットニュースに明日はあるのか 藤代裕之先生に聞く/全7回)

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   こんにちは。J-CASTニュース・名誉編集長の山里亮太です。

   日々ネットにあふれる「悪意ある文字起こしニュース」を根絶やしにできないか、という疑問から始まったこの企画もついに6回目です。

   前回は、炎上ビジネスの話から、「新聞は昔"ゲスいメディア"だった」という歴史にまで発展しました。いやー、勉強になりました。

   今回は、ニュースを扱う者として肝に命じたい、深~いお話です。

   教えていただくのは、ジャーナリストで法政大学社会学部メディア社会学科准教授の藤代裕之さんです。

これまでの記事もチェック↓

【1】「文字起こしニュース」を根絶やしにしたい
【2】ネット軍団と共存するには
【3】テレビのネットアレルギー
【4】ラジコが起こした革命
【5】「炎上ビジネス」が終わる日

ネットニュースは儲からない

藤代:『ネットメディア覇権戦争』で指摘したかったのは、まじめにやればやるほど、ネットメディアって儲からないという構造なんですよ。

ジャーナリストで法政大学社会学部メディア社会学科准教授の藤代裕之さん
ジャーナリストで法政大学社会学部メディア社会学科准教授の藤代裕之さん

山里:そうか。だから適当なことをでっちあげるような、「バズればいいや」という感覚で書いちゃうんですね。

藤代:そう。そっちの方が得な仕組みなんですよね。だから、まじめな人がまじめにやって儲かる仕組みを作らない限り、フェイクニュースやヘイトはなくならないと思うんですよ。広告の世界はちょっとずつ変化が起きているんですが。

山里:そうなると、目指すべき仕組みは本当にシンプルですよね。「がんばった人がたくさん(お金を)もらえるようになる。それがこの世界の当たり前だよ」と、それだけじゃないですか。

藤代:仕組みが変わらない限り、世の中は変わらないですからね。

山里:フェイクニュースもそうですけど、でっちあげるような記事でアクセス数稼いでお金が儲かるそのルールを、一回変えていかないと。
たとえば、コンビニのアイスケースに入るバカなやつがいて、「なんてバカなんだ」と思いつつも、みんながアクセスすることで、結果そいつを紹介した記事を書いた人が儲かるとか、やっぱり不健康ですよね。

藤代:不健康なんですよ。芸能人の方ならまだしも、と言っては失礼ですが、一般人ですら、炎上してその後の人生めちゃくちゃになったりするじゃないですか。それって炎上して得する人がいるから、起こるわけです。彼らが得をしないような仕組みを作っていければいいですけどね。

山里:ああいうバカなことをする人たちを、みんな怒りたいんじゃないかと思うんですよ。
SNSが出てきて、1番思うのは、みんな人のことを叱りたいんだな、っていうことなんです。自分を正義のところに置いて、「人を叱りたい」っていう気持ちをくすぐって気持ちよくさせてくれるのが、ネットニュースじゃないですか?
だって、わざわざそういうネタを探しにいっているんでしょ? あんなバカなやつらを。

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