2018年 12月 20日 (木)

危険タックルが「大炎上」社会問題に 日大「不誠実」対応の全記録

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   アメフトの「危険タックル」問題をめぐって、後手後手の対応が続く日本大学。遂には、反則を犯した選手自身が記者会見を開き、内田正人・前監督とコーチからの指示があったと証言する異例の展開を迎えた。

   社会問題にまで発展した悪質プレーの発生から17日。これまでに日大側が取った対応を一つずつ振り返る。

  • 日大選手は記者会見を開き、負傷させた選手に謝罪した(18年5月22日撮影)
    日大選手は記者会見を開き、負傷させた選手に謝罪した(18年5月22日撮影)
  • すべての発端となったタックル瞬間(提供:関西学院大学)
    すべての発端となったタックル瞬間(提供:関西学院大学)

一向に出てこない内田前監督

   関西学院大学のクォーターバック(QB)選手を負傷させたプレーが起きたのは2018年5月6日の試合でのこと。この悪質な反則行為について、試合を主催した関東学生アメリカンフットボール連盟が10日、内田氏への厳重注意などの処分を発表した。

   日大側が今回の騒動に初めて反応したのも10日だった。連盟の発表を受けて、アメフト部の公式サイト上に、

「今後はこのようなことがないよう、これまで以上に学生と真摯に向き合い指導を徹底してまいります」

などとするお詫びを掲載した。この謝罪文の名義は「日本大学アメリカンフットボール部」。内田氏の名前はなかった。

   関学側は12日、日大に「正式な形」での謝罪を求める抗議文を送ったことを明らかに。この日、日大コーチと当該選手の2人が謝罪のため関学を訪れたが、「文書での回答を待ちたい」として断られている。ここでも、内田氏は表に出てこない。

   J-CASTニュースは14日、現役選手らアメフト関係者から「チームの反則指示」を疑うような意見が出たことを受け、日大の広報担当者へ取材。反則指示をめぐる見解を尋ねたが、そのときの回答は、

「当然ですけれども、監督やコーチがああいったプレーを指示した事実はありませんし、それはありえません。あくまでプレーは瞬間的なものですので、こちらとしては、今回の件は偶発的なアクシデントだったと認識しております」

   だった。大学広報見解を初めて伝えたこのコメントは注目を集め、ツイッターやネット掲示板には「不誠実すぎる」との声が相次いで上がった。

広報への電話は繋がらない状態に

   その後、一部で監督・コーチによる「反則指示疑惑」が報じられたため、J-CASTニュースは16日に再び日大広報に取材。だがこの時も、先日と同じ担当者は、

「報道は事実ではないので、大変困惑している。監督やコーチが、ああいったプレーをしろと指示した事実はない。そんな指示を出しても、仕方がないでしょう」

と否定を繰り返していた。

   17日、関学の抗議に対する日大の回答が公表された。日大側は「意図的な乱暴行為を行うこと等を選手へ教えることは全くございません」として、「指導者による指導と選手の受け取り方に乖離が起きていたことが問題の本質」と主張した。この回答書で初めて、内田氏の名前が登場する。

   事態が大きく動いたのは19日。これまで公の場に顔を見せなかった内田氏が、負傷した関学選手や保護者らに直接会って謝罪。その後、大阪国際空港(伊丹空港)で報道陣の取材に初めて応じ、監督を辞任することを表明した。

   このとき、内田氏は日大が運動競技で用いるスクールカラーの「ピンクのネクタイ」姿。さらに、関西(かんせい)学院大学を「かんさい―」と言い間違えるなど、謝罪に対する姿勢も問題視された。また、日大常務理事の職の進退を報道陣から問われた際には、

「それは違う問題」

と一蹴。反則指示の有無についても繰り返し問われていたが、内田氏は「文書でお答えする」と話すにとどめた。

   21日には負傷した関学QB側が大阪府警に被害届を提出。この動きを受けて、日大には多くの報道陣が集まったが、デイリースポーツ(ウェブ版)の報道によれば、取材にはなぜか守衛の男性が対応。「(広報対応は)『物理的に無理』とのことです」と告げたという。

   実際、J-CASTニュースでは18日以降、日大広報部に取材依頼のため繰り返し連絡を試みているが、23日夕までに電話が繋がったことは1度もない。

選手会見で明らかになったこと

   22日には反則を犯した当該選手が記者会見を開いた。この会見は、選手本人とその保護者、代理人弁護士が「大学の対応が遅いこと」を理由に独自で開いたもの。会見場には、日大職員らの姿はなかった。

   会見で当該選手は、コーチを通じて監督から「QBを1プレー目で潰せ」など、具体的な反則の指示があったと認識していたと明言。さらには、

・日大側から相手選手への謝罪を断られていたこと
・日大本部の聞き取りは問題発生から10日後の5月16日に始まったこと(学生連盟の聞き取りは14日に行われていた)
・日大アメフト部としての聞き取りはなく、その予定すらなかったこと

など、大学側の対応の問題点も明らかにした。

   一方、会見が行われた22日夜、日大広報部はコメントを発表。コーチから「潰せ」という指示があったことは事実だとしたが、

「これは本学フットボール部においてゲーム前によく使う言葉で、『最初のプレーから思い切って当たれ』という意味です。誤解を招いたとすれば、言葉足らずであったと心苦しく思います」

と主張。「コミュニケーションが不足していたことにつきまして、反省いたしております」とし、あくまで反則指示の事実は認めなかった。

日大側が触れなかった証言とは

   ただ、この日大コメントでは「無視」された部分がある。当該選手が会見で、コーチから「相手のQBが怪我をして秋の試合に出られなくなったらこっちの得だろう」と念押しをされたと証言したことだ。今回のコメントでは、この証言には一切触れていないのだ。

   なお、関学側は26日、日大アメフト部から受け取った新たな回答を公表する予定だ。日大側はこの回答で、悪質タックルの経緯や事後の対応についてのチームとしての見解を明らかにするとしている。

   はたして、これで関学側は納得するのか。回答の内容次第で、30年以上の歴史をもつ両大学の定期戦が取り止めになる可能性がある。

   なお、23日19時過ぎになって、日大が同日20時から緊急記者会見を開くとの報道があった。

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