2024年 4月 27日 (土)

日立の英・新原発を待つ 次の「山」とは 

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どうなる電力の買取価格

   もうひとつ、発電した電力の買い取り価格もある。英国では、二酸化炭素(CO2)の排出を抑制するため、原発で発電する電力の買い取り価格を政府が保証する制度がある。英国政府は保証価格を1メガワット時(1000キロワット時)当たり77ポンド(約1万1000円)前後とする案を日立に提示している模様で、80ポンド以上を要望している日立との開きはなお大きい。フランス電力や中国企業が参画して計画が進む英南西部の原発では、同92.5ポンドに設定されたが、「高すぎる」と国民の反発を招いている。風力など再生可能エネルギーの発電コストが下がっていることも、日立への保証価格を抑える方向に作用するだけに、日立は「経済合理性を最優先に交渉に臨みたい」(東原敏昭・社長兼最高経営責任者=6月8日)と、慎重に協議していく構えだ。

   実は、日立の英国の事業は、日本が抱える海外での原発案件で最も有望なもの。東芝は米国での4基の原発建設計画で1兆円を超える巨額損失を計上し、手がけていた傘下の米原子力大手ウエスチングハウス(WH)は経営破綻した。三菱重工業がトルコで進める4基の新設計画は事業費が当初の2倍以上の5兆円規模に膨らみ、採算性が不透明になるなか、企業連合の一角から伊藤忠商事が離れた。

   日立は最終的に2019年中に英国事業の継続か、撤退かを判断するが、厳しい交渉と難しい判断が待ち構える。

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