しまむら北島常好社長(右)と、山里亮太J-CASTニュース名誉編集長(着替え後のしまむらファッション)番組(日本テレビ系『ヒルナンデス』内の「三色ショッピング」)でいつもお世話になっている「しまむら」さんですが、ロケ中もゲストのモデルさんが、しまむらで服を買っているのを見かけます。「しまむらのラインアップはすごくいい」って言っています。でも、彼女たちも忙しいじゃないですか。そんなこともあり、気になったのが、しまむらのネット通販事情です。これまであまり聞かなかったですが、そのあたりどうなんでしょうか。北島社長!実はネットは安くない?山里 最近になってECサイト(ネット販売)を始められましたよね。目的はどんなところにあるんでしょうか?北島社長 当面はネット販売をやるにしても、実店舗で販売する商品とほぼ同じ商品を出しますから、実際に店で触って確認して、必要であればネットで注文してくれればいいな、と。今のところ、(店舗と通販で)値段も変えるつもりもないので。ただ、ネット通販って、どうしてもコストが余計にかかるんですよ。だから、いわゆる「低価格ゾーン」は逆に扱えないんですよね。山里 え? でも、「ネットのほうが安い」って言っていいますよね?北島 ネットだから、なんでも安く買えるわけではないんですよ。とくにウチの商品は(笑)。山里 どういうことですか?北島 いわゆるウチの低価格ゾーンを販売すると、我々もそうだしネットのインフラをやってくれている会社にしてもみんな損をしてしまいます。損なんて言い方しちゃいけないのだけど(笑)。仮に当社が売り値を多少下げたとしても、配達コストなどが上乗せされれば、お店で買うより高くなりますよね。現状のプラットフォームを使って商売しようとすると、現時点では、扱う点数を増やすか、1点あたりの単価そのものをあげないと採算が合わないようになっているんです。そうでないと、採算が合わないようにできています。山里 なるほど。北島 我々は勉強のために今ECに出店していきますけど、同時にやらなくちゃいけないのは、実店舗と同じようにできる限りコストをかけない、ローコストでお客様に商品をお届けできる「仕組みづくり」なんです。編集部より>>このインタビューは行われたのは2018年6月末ですが、その後7月9日、しまむらは大手通販サイトZOZOTOWNに「ファッションセンターしまむらZOZOTOWN店」を出店しました。ファッションだけでなくシューズ、時計、生活雑貨まで、2018年8月1日現在で約230件のアイテムが並んでいます。ということで、編集部が北島社長に追加で伺いしました。編集部 どうしてZOZOTOWNへの参入を決めたのですか。北島 ひとつは、お客様への利便性の提供です。近所に店舗のないお客様や、営業時間中に店舗に来店できないお客様がいらっしゃいます。そんな方々にも、しまむらのファッションを着て頂きたい。まずはそのためのECサイトです。もうひとつは、当社にとってのノウハウ作りです。まずは大手ECモールへ出店し、商品の見せ方や売り方、最適なアイテム数とその在庫の持ち方などをノウハウとして積み上げる。今まで実店舗だけで商売をしてきた当社にとって未知の領域ですので、経験豊富な大手ECモールのやり方を勉強しノウハウを積んだ上で、次は自分たちでオリジナルのECを作り上げていきます。「しまむらコーデ」まとめ買いがイマドキ山里 服のデザインのこともお伺いしたいんですけど。モデルさんとかがよく、「しまむらだと新しいデザインが入ってくるから」って言うんです。これって、ワンシーズンで終わるようなデザインの服はわざわざ高いお金を出してまで買わないけど、「しまむら価格」だったら攻めたデザインでも躊躇せずに買えて、余裕で元が取れるわって。安いので、色違いのバリエーションで何パターンも一気にまとめ買いするそうなんですよ。北島 なるほど。そういう買い方もあるんですね。山里 でも、彼女たちはコーディネートのセンスもありますからね。それで、たとえば一般の方向けに、お店でコーディネートしてくれることはないですか。北島 いや、そこはご自分でコーディネートしてもらいます(笑)。参考例として、マネキンに基本的なコーディネートを着せてはいますけど......。山里 でも、しまむらさんだったら、躊躇なく「フルコーデ一気買い」ができるじゃないですか!北島 いやぁ、マネキンが着ている服をそのまま全部買っていくという方はホント、少ないと思いますよ。みなさん、自分の持っている服に対して、今シーズンはこういうのが流行っているから、それを取り入れて、とか。日本の消費者の方って、そういうところはものスゴく進歩してます。自分でコーディネートできますもの。山里 僕、全然できないですよ。いつも同じジーパンとTシャツになっちゃう(笑)。北島 そんなことないと思いますよ。それも、ある種のコーディネートですから(笑)。「それは聞いちゃいけない」(笑)山里 では、最後に。これから、こうしたいっていうことはありますか?北島 我々にとって、基本は商品です。ここがつまらないと......。長く続けていくには常にフレッシュで品質のいい商品を、品揃えを磨かないといけないと思っています。それと、やっぱりお店の基本は女性なんですよ。「ファッションセンターしまむら」のコンセプトは、20代から50代くらいまでの女性の生活をカバーすることです。女性がいて、旦那さんがいたりお子さんがいたり両親がいたり。いろんな生活シーンがあって、そこをカバーする。たとえば、しまむらの紳士服って、「奥さんが買う紳士服」がきっかけでした。だから、当初は男性が売り場にいなかった。それがここ2、3年は男性が直接来店して、自分で服を選んで買っていく。そんなシーンを、これからも多くつくっていきたいですね。山里 なるほど。これからはメンズウェア、紳士服も充実していくんですね。ところで、今日お召しになっている服って、しまむらの......?北島 あーっ、それは聞いちゃいけない質問ですよ(笑)。山里 すみません(笑)。でも、ふだんはどうです?北島 パンツとかシャツとか靴下とか。小物は使いますよ。あとは寝具やインテリア雑貨ですね。敷物とか、かけ布団とか。そういうものは使っています。ただ、僕は身長とか手足が長いので、わりとサイズが合わなかったりするんです(苦笑)。山里 でも、男性でもしまむらの服を着たい、リーズナブルに買いたいという人がいると思いますよ。僕もそうです。そうだ、ちょっと着てみてもいいですか?北島 もちろん! どうぞ、そうぞ。~山里名誉編集長、お着換え中~北島、編集部スタッフ (どきどき)山里 できました! どうですか?山里名誉編集長しまむらファッションコーデ/Tシャツ1500円、シャツ1900円、パンツ(CLOSSHI 超COOLデニムパンツ)2900円北島 いいじゃないですか! お似合いですね。夏っぽくていいですね。そのパンツ、ストレッチが効いていて、すごく楽でしょ。山里 すごく楽です。やっぱり、わかるんですね。北島 そのパンツ、涼しいしはずですよ。肌感マイナス5度くらいになるんです。夏、35度くらいの時に穿いていると、5、6度くらいは体感が下がって。それに、これ生地がいいんですよ。山里さん、たぶんワンサイズくらい小さくてもいけると思うけど、安モノは膝のところが伸びちゃうんですよ。でも、これはすぐに戻る。反復率が高いんです。だから、動きやすいでしょう。山里 ホントだ。こちら、ちょっと考えてみますね(笑)。北島社長、きょうはお忙しいなか、ありがとうございました。なんか、また、しまむらへ行くのが楽しみになりました。山里名誉編集長の編集後記「しまむら」さんの低価格の背景をしっかり知ることで、どれだけ得をできるかを知りました。あと、濁してはいたけど、あの場所に行くんじゃないかなぁ......。(終わり)プロフィール北島 常好(きたじま・つねよし)しまむら代表取締役社長1983年、流通経済大経卒、同年しまむら入社。2009年に取締役、12年台湾「思夢樂」股份有限公司董事長、13年に常務取締役(開発部・店舗建設部統括)、15年取締役専務執行役員を経て、18年2月から現職。埼玉県出身、59歳。しまむら衣料品・日用品などの総合小売りチェーン。中核事業の「ファッションセンターしまむら」をはじめ、ベビー・子供用品「バースデイ」やCASUAL&SHOES「アベイル」、雑貨&ファッション「シャンブル」、靴の「ディバロ」、2018年5月には初の「しまむら寝具・インテリア館「Zzz...と(ずっと)」を神戸にオープンした。グループ全体で、国内2089店舗。台湾45店舗(いずれも、2018年2月20現在)。中国11店舗(17年12月31日現在)を展開する。
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