2019年 9月 23日 (月)

那須川天心に「フリーランスボクサー」が挑戦状 ファン後押しも関係者「複雑な思い」

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   キックボクシングの「神童」那須川天心(20)=TARGET/Cygames=にフリーランスボクサー中村優也(28)が挑戦状をたたきつけた。中村は2019年3月11日に自身のツイッターを更新し、AbemaTVの3周年特別企画として行われる「那須川天心にボクシングで勝ったら1000万円」の挑戦者に名乗りを上げた。元WBCアジアバンタム級王者の肩書を持つ現役ボクサーの挑戦表明に、ボクシング界では困惑の声が上がっている。

   日本のプロボクシングでは、原則としてボクシング以外のプロスポーツ競技に出場することを禁じている。ジム制度が敷かれる日本では、すべてのプロボクサーが、日本ボクシングコミッション(JBC)が認可したジムに所属し、JBCが発行するプロライセンスを所持している。このライセンスを持たない選手は日本のリングに上がることが出来ないのが現状だ。

  • AbemaTV3周年記念特番「那須川天心にボクシングで勝ったら1000万円」
    AbemaTV3周年記念特番「那須川天心にボクシングで勝ったら1000万円」

井岡一翔もフリーランスで活躍

   中村は日本のどのジムにも所属せず、海外のプロモーターと独自に契約してリングに上がっている。中村のようなケースは日本人では珍しく、同様のスタイルをとっているのが元世界3階級王者の井岡一翔(29)。井岡は以前、父親が経営する井岡ジムに所属していたが、一度現役引退を表明した際にJBCにライセンスを返上した。復帰にあたり海外のプロモーターと契約し、現在は米国を主戦場としている。

   今回、那須川への挑戦者資格は「18歳以上で心身ともに健康である男性のみ」とざっくりとしたもので、格闘技経験者の応募の可否などの詳細は公表されていない。ルールについては特別ボクシングルールとなる見込みだが、上記のように日本のプロボクサーは異種格闘技戦が禁じられていることから、他の現役格闘家の挑戦はあっても、現役ボクサーの挑戦はないとみられていた。

   過去に行われたボクシングの同企画では、元世界王者の亀田興毅氏、大毅氏が出演。2人ともすでに現役を引退していることから、対戦相手の候補はあらかじめ現役の格闘家は除外された。だが、今回は現役の那須川が出場するとあって、ネットでは現役格闘家の「参戦」の可能性が取り沙汰されていた。そんな折、JBCルールに縛られない中村が突如、那須川への挑戦を表明。ネットでは「ガチンコ」の異種格闘技戦の実現を望む声が殺到している。

対戦すれば「本当のボクシングの試合」に?

   日本のライセンスを持たない中村の出場になんら問題はないが、ボクシング関係者の間では困惑の声も。日本のボクシング界は古くから他の格闘技団体との接触を嫌う傾向にあり、K-1全盛期の1990年代後半から2000年代初頭にかけて、プロボクサーのK-1流出が相次ぎ、その傾向は一段と強くなっていった。過去にはボクシングジムのトレーナーが、他の格闘技団体の選手のセコンドについたため、処分を受けたこともある。

   都内でボクシングジムを経営するジム会長は「この件については複雑な思いです。もし対戦が実現したら中村選手を応援したいですが、ルール上ではボクサーの異種格闘技戦は認められていませんから。それに2人が対戦するのであれば、もはやテレビの企画ではなく本当のボクシングの試合。日本のライセンスを持たない2人が、日本でボクシングの試合をし、それがテレビ放送されるとなると、面倒なことになりかねない」と指摘する。

   中村は同番組の企画をボクサーに対する「侮辱」ととらえたようで、挑戦を表明するにあたり、自身のツイッターで「日本のプロボクシング(JBC)関連の人間は出られへん。それわかっててやろ?そんな条件の面子から選んでボクシングルールで弱い者いじめしてもしゃあないやろ?だから俺がやったる!」などと、挑発的な言葉を並べた。

   また、現在53.5キロのバンタム級でリングに上がっている中村は、対戦する際には階級を2つ上げ、那須川のフェザー級(57.1キロ)に合わせるとも。そんな中村の心意気にネットでは「当然受けないとか無いですよね?那須川選手お願いしますよ」、「この挑戦を、もし断ったら、この企画は冷める」との声が上がっている。

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