2021年 7月 28日 (水)

Go To トラベル「割引制限」取り下げの急展開 3500円→1万4000円の方針転換促した国の動き

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   新型コロナウイルスの影響で失われた旅行需要の回復をめざす国の「Go To トラベル」キャンペーンについて、「3500円まで」という割引上限額や1会員1回までという制限を設けていた一部大手の宿泊旅行予約サイトが2020年10月13日、制限を取り下げ、従来の「1万4000円まで」という上限額や回数無制限に戻すことを明らかにした。

   大手予約サイトでは10日までに制限を設け、理由としてGo To トラベルに割り当てられた予算に上限があるためだとしていた。こうした中、赤羽一嘉国土交通相は13日午前の会見で、割引原資の給付金を各事業者に追加で配分する方針を明らかにしていた。

  • 「Go To トラベル」旅行者向け公式サイトより
    「Go To トラベル」旅行者向け公式サイトより
  • 「Go To トラベル」旅行者向け公式サイトより

「可能な限り機動的に予算枠の追加配分を行う仕組みに改めたい」

   所管する観光庁の制度上、Go To トラベルは国内旅行を対象に「旅行代金35%割引」を受けられる。10月1日には旅先で使える「同15%相当分の地域共通クーポン」の付与も加わり、あわせて旅行代の半額相当が還元される。また9月18日には、当初対象外だった東京発着の旅行も10月1日以降の日程分から販売開始。キャンペーン自体は7月22日に開始していたが、こうした動きにより10月に入って一層需要が高まっている。

   一方、一部の大手予約サイトで予約が急増。10月10日までに「35%割引」のクーポン発行に、下記のとおり制限が設けられていた。

・楽天トラベル...1会員あたり上限1枚(宿泊は1予約1部屋、ツアーは1予約)まで。
・じゃらん...割引上限額1人1泊3500円まで。10日2時以降の予約に適用。
・Yahoo!トラベル...割引上限額1人1泊3500円まで。10日0時以降の予約に適用。
・一休.com...割引上限額1人1泊3500円まで。10日2時30分以降の予約に適用。

   観光庁の制度上、35%割引の上限額は1人1泊1万4000円(日帰り旅行7000円)となっている。1泊3500円という上限は、この4分の1にまで少額化していた。

   この4サイトでは制限を設けた理由として、「Go To トラベルクーポンを多くの方にご利用いただくため」という言葉が並んでいた。旅行代金を割り引くための国からの予算は事業者ごとに配分されており、その金額には限りがある。制限を設けたのは、短期間に一部利用者へ割引が集中することを防ぐためだった。

   実際、予約サイト「dトラベル」は9日、「Go To トラベルキャンペーンにつきまして、ご好評につき給付金額の予算上限に達しましたので、販売終了となりました」と発表。11月にも予定されている新たな予算給付があり次第、販売を再開するという。

   10日にこうした動きがYahoo!ニュース個人の記事などで取り上げられ、12日ごろからはメディアでも大きく扱われるなど、その動向に関心が高まる中、赤羽国交相は13日、「元通り35%の割引商品を継続販売できるよう、観光庁に必要な対策を講じるよう指示した」とし、「今後、予約状況や販売状況を適切に把握し、可能な限り機動的に予算枠の追加配分を行う仕組みに改めたい」と割引原資となる給付金を追加配分する方針を表明した。14日午前には各事業者で35%の割引支援が再開される予定としたほか、3500円などに引き下げられた割引上限額での予約も、35%割引の支援を受けられるよう対応したいとしている。

4サイトいずれも制限を撤廃

   3500円の上限額を設けていた前出の予約サイトでは13日昼、上限を従来の1万4000円に改めることを各ウェブサイト上で発表した。「じゃらん」は13日13時以降の予約に、「Yahoo!トラベル」「一休.com」は13日12時以降の予約に、それぞれ適用される。

   楽天トラベルは13日15時ごろのJ-CASTニュースの取材に、「早急に回数制限を取り下げ、元に戻す方向で対応している。早ければ今日中にも発表する」と答えた。なお、回数制限を設けたのは「予算上限があったためだった」としている。その後、楽天トラベルのウェブサイトは同日15時30分までに更新され、同日15時20分以降は1会員何回でも35%割引クーポンを利用できることを発表した。

   Go To トラベルの趣旨は「失われた旅行需要の回復や旅行中における地域観光関連消費の喚起を図るとともに、ウィズコロナの時代における『安全で安心な旅のスタイル』を普及・定着させる」(観光庁資料)こと。事業者が割引制限すれば、旅行需要も制限されると考えられるが、制度上構わなかったのか。観光庁の担当者は12日の取材に「当初から予約システムの仕様などにより、35%を下回る割引率での運用も認めていました」と話した。

   Go To トラベル全体の割引原資は約1兆1000億円。うち7割が宿泊割引、3割が地域共通クーポンに使われる。そのため、35%割引に使われる予算総額は「7700億円程度」という。一方、観光庁は10月6日、Go To トラベルにおける7月22日から9月15日までの割引支援額が「少なくとも約735億円」だったと発表していた。

   なお先述のとおり、東京発着の追加や地域共通クーポンの発行は9月下旬以降のため、ここ1か月で一気に利用が急増し、その結果予約サイトで制限が設けられた可能性はある。とはいえ「735億円」は予算全体の1割程度だ。

   この点、12日の取材に応じた観光庁の担当者によると、Go To トラベルの実務は観光庁が委託している「Go To トラベル事務局」が担っており、各社が事業登録に際して提出した「販売計画」をもとに、事務局から各宿泊予約サイト、旅行会社、宿泊施設に給付金を分配している。Go To トラベルの期間は現状21年1月末までだが、「予算すべてを一度に配分するのではなく、時期ごとに段階的に配分している」というのがこの時点での説明だった。特定の時期に旅行需要が集中しないようにするためだという。

   赤羽国交相は前出13日の会見で、「今後の見通しを正確に申し上げるのは尚早だが」としながらも「予算がただちに枯渇する状況ではない」と述べている。35%割引と15%の地域共通クーポンのあわせて50%相当の還元は「堅持する」と表明。今後、十分な予算がある中では、今回のように事業者が割引の制限を設けることはないように対応したいと話していた。

(J-CASTニュース編集部 青木正典)

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