2024年 4月 19日 (金)

高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
法案の単純ミスは珍しくない 国会・政府あげて検討すべき重大事案ではない

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マスコミは原文を読んで、誤字脱字を報じればいい

   マスコミも情けない。国会提出している法案なら、マスコミは原文を読んで、誤字脱字を報じればいい。おそらくマスコミは、改正法案の原文を見ずに、記事を書いているのだろう。実際、独力で改正法案の原文を読みそれを理解できる記者がどれだけいるだろうか。筆者の経験からいえば、役人に法案の内容を聞いて、原文を読まずに記事を書いている人が多いだろう。一部のマスコミは、誤植程度の単純ミスではなく、記事捏造をしたとして最高裁判例もでたくらいだが、それに比べると単純ミスの実害は少ない。

   もちろん法案の単純ミスがいいとはいえないが、人間のやることなので、目くじらを立てることもない。なにしろ人がやることなのでミスはつきものと思ったほうがよく、その善後策を考えたほうがいい。

   野党は審議に応じられないというのではなく、単純ミスを修正すればいい。野党は重箱の隅をつつくのではなく、中身で勝負すべきだ。

   政府の加藤勝信官房長官は、再発防止策を6月中にまとめる考えを示した。元官僚の加藤氏は、単純ミスが不可避なのは知っていると思うが、国会で修正してくれといえば、政治家の株が上がっただろう。こんな人命に関わらないようなどうでもいいところに、労力を割くべきではない。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。


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