2023年 2月 8日 (水)

井上尚弥はフェザー級でも「王座獲得が十分可能」 それでも専門家が指摘する懸念「階級の壁」とは

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   ボクシングのWBA、IBFバンタム級王者・井上尚弥(28)=大橋=が世界4団体王座統一へ大きく前進した。

   井上は2021年6月19日(日本時間20日)、米ネバダ州ラスベガスでIBF同級1位マイケル・ダスマリナス(28)=フィリピン=を3回KOで下した。指名挑戦者から3度のダウンを奪う圧勝劇で王座の防衛に成功し「モンスター」ぶりを発揮。今後は目標である世界4団体王座統一へ向けて新たなスタートを切る。

  • 井上尚弥(編集部撮影)
    井上尚弥(編集部撮影)
  • 井上尚弥(編集部撮影)

金平会長「井上は歴代世界王者の中でもベスト」

   もはやバンタム級に敵なしと思わせるほどの内容でWBAとIBFの2つのベルトを堅守した井上。次なる目標はWBCとWBOの王座を奪い、世界4団体の王座を統一すること。8月14日にWBC王者ノニト・ドネア(フィリピン)とWBO王者ジョンリル・カシメロ(フィリピン)による王座統一戦が行われるため、展開次第では年内にも4つのベルトを統一する機会が訪れるかもしれない。

   一つの目標である4団体統一を成し遂げれば、階級をスーパーバンタム級に上げてさらなる高みを目指すことになる。そしてもうひとつ上のフェザー級も視界に入っていることだろう。ライトフライ級で世界王座を獲得してからスーパーフライ級、バンタム級の計3階級を制覇。世界戦16試合連続勝利中の世界の「モンスター」は今後、どこまで進化していくのか。J-CASTニュース編集部は協栄ジムの金平桂一郎会長(55)に話を聞いた。

   金平会長は「現時点で井上選手はバンタム級の中で、パワー、テクニック、スタミナなどすべてにおいて突出しています」と前置きし、次のように語った。

「井上選手は4団体の王座統一を目標に置いていますが、王座を統一するまでもまくバンタム級ではナンバーワンということが証明されている。これは世界中のボクシング関係者が認めるところで、私個人の意見としてはバンタム級の歴代世界王者の中でもベストだと思っています」(金平会長)

スーパーバンタム級でもレジェンド王者の仲間入り?

   金平会長は、現段階の井上の実力であれば、1つ上の階級であるスーパーバンタム級に上げても、複数の王座を統一するのにさほど苦労はしないだろうとの見解を示した。

   現在、主要4団体のスーパーバンタム級には3人の王者(WBAの正規、暫定除く)が存在する。

   16年リオデジャネイロ五輪バンタム級金メダリストのムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)は、WBA(スーパー王座)とIBFの2つの王座を保持している。WBC王者のブランドン・フィゲロア(米国)は5月に王者ルイス・ネリ(メキシコ)にKO勝ちして王座を獲得。WBOはステファン・フルトン(米国)が王座に君臨している。

「井上選手はこれまで制してきた階級で、常にナンバーワンの存在でした。井上選手の体格やパンチ力、スピードを考慮すれば、スーパーバンタム級でもこれまで同様に階級を通じてナンバーワンを証明するのはそう難しくはないと思います。技術的にも引き出しが多く、相手のパンチを見切って一発で仕留めるということが可能でしょう。スーパーバンタム級でも歴代レジェンドの仲間入りを果たすと思います」(金平会長)

金平会長「ナチュラルなフェザー級選手との体格差が...」

   井上がスーパーバンタム級を制し、自身に課した何かしらの目標を達成すれば、その次はフェザー級での世界5階級制覇が見えてくる。金平会長は「井上選手はここで初めて階級の壁というものを感じると思います」と指摘し、その理由を次のように説明した。

「井上選手はライトフライ級から上げてきますので、ナチュラルなフェザー級選手との体格差が生じるでしょう。フェザー級は、ライト級、ウエルター級の入り口となる階級で、昔から強豪王者が存在します。井上選手がフェザー級で世界王座を獲得することは十分可能だと思いますが、これまでのようにこの階級のレジェンド的な王者になるには、さらなるレベルアップが求められるでしょう」(金平会長)

   金平会長はさらに具体的な内容を挙げながら展望を予測した。

「フェザー級に上げた場合、スピード、テクニックは十分通じると思いますが、今まで通じていたパンチが効かないというケースが出てくると思います。そこでどうするか。これまでとは異なった攻略法が求められます。井上選手の引き出しの多さを考えれば、必ずレベルアップした姿を見せてくれると思いますし、井上選手が階級の壁を乗り越えた時、新たな景色が見えてくるのではないでしょうか」(金平会長)
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