2024年 4月 26日 (金)

「殺したがるばかどもと戦ってください」 瀬戸内寂聴さん、ユーモアの裏で貫いた信念

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立場の違う論者とも共著

   瀬戸内さんのもう一つの特徴は「幅の広さ」。日経新聞で長期連載したエッセイ「奇縁まんだら」には実に136人もの著名人が登場する。先輩、同輩の作家はもちろん、田中角栄、美空ひばり、淡谷のり子、ミヤコ蝶々、勝新太郎など多彩だ。

   そうした交友の広さをさらに裏打ちするのが「共著」の多さだ。タッグを組んだのは梅原猛、五木寛之、加藤唐九郎、水上勉、永六輔、稲盛和夫、荒木経惟、安藤忠雄、日野原重明、山田詠美、玄侑宗久、鶴見俊輔、ドナルド・キーン、平野啓一郎、美輪明宏、田辺聖子、さだまさし、藤原新也・・・。

   空襲で母と祖父が焼死したこともあり、筋金入りの護憲派だが、櫻井よしこ、石原慎太郎ら立場の違う論者とも共著を出している。出家したときの導師、作家の今東光(中尊寺貫主)は自民党の参議院議員でもあった。

   こうした奥行きの深さもあって、月1回、京都の寂庵で開かれる法話には毎回定員の数倍の申し込み。新聞社が無料で大きな講演会を企画すると、数万通の応募はがきが集まる。新聞、雑誌の連載はもとより、ラジオやテレビからもひっきりなしに声がかかり、当代の作家の中ではずば抜けた大衆性があった。

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