阿部寿樹トレード獲得に「楽天は良い補強した」 パ他球団スコアラーも警戒「6番あたりなら厄介」

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   球界を震撼させる電撃トレードだ。中日・阿部寿樹と楽天・涌井秀章のトレードが両球団から2022年11月15日に発表された。

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「得点力が上がると思います」

   中日は今季リーグワーストの414得点。得点力不足が深刻で、打線強化が最重要課題だったため、打線の中心選手だった阿部を放出したトレードは衝撃が大きい。今季は3、5番など主にクリーンアップに座り、133試合出場で打率.270、9本塁打をマーク。57打点はビシエドに次ぎ、チームで2番目に多かった。パンチ力がある上、右方向にも安打を打てる柔軟性がある。

   二塁、三塁、外野と複数のポジションを守れるユーテリティーも魅力で、歴代の首脳陣からも重宝されていた。口ひげがトレードマークとなり、愛称は「マスター」。実直な性格で言葉数は多くないが、中日ファンに人気の選手だった。

   阿部の交換相手となった涌井の実績は申し分ない。西武、ロッテ、楽天で史上初の3球団で最多勝を獲得し、通算154勝はヤクルト・石川雅規に次いで現役2番目。プロ19年目の来季は4球団目のプレーになるが、明るい性格でチームに溶け込むのは早いだろう。

   一方で、気になるのは36歳という年齢だ。今季は右手中指の骨折で長期離脱するなど10試合登板で4勝止まり。先発ローテーションであと何年稼働できるか不安が残る。

   今回のトレードについて、パ・リーグ他球団のスコアラーは「楽天は良い補強をしたと思います」と警戒を強める。

「レギュラーの選手は浅村栄斗をのぞき、左打者ばかり。右打者の阿部は今季リーグ4位の31二塁打を放つなど広角に安打を打ち分け、ポイントゲッターになれる。6番あたりに置かれたら厄介ですね。得点力が上がると思います」

   岩手出身の阿部は楽天が地元球団となる。7年間袖を通した中日のユニフォームに別れを告げ、杜の都で大きな輝きを放つことを期待したい。(中町顕吾)

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