2024年 4月 29日 (月)

繊細気質「HSP」ブームの光と影 「生きやすくなった」の一方で...専門家が指摘する弊害とは

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身近にHSPおらず...「傷つくことはかなりある」

   先述したYouTuberのかほさんは「HSPという言葉を知ってから、生きやすくなったと思っています。今までは考えすぎていたところがありましたが、対策で始めた散歩やキャンプなど、新しい趣味もできて楽しいことが増えました」と話す。

   飯村氏は「いくつかの論文によると、当事者の語りの中には、HSPを自覚することで、自己理解が進んだり、日常生活を工夫するようになったりするなど、ラベリングによる肯定的な変化(メリット)を感じている人が割合として多いようです」とする。

   一方で、「HSP」という言葉を知ってから、かえって苦悩を抱く人もいる。

   22年12月23日、J-CASTニュースの取材に応じた20代のAさんは、1年前から「外で写真を撮る際、友達は普通に目を開けられているのに私は眩しすぎて目を開けられないことが多く疑問に思っていました」「考えすぎと言われることが多くなり、他人の何倍も考えすぎてしまって私っておかしいのかなって思い始めました」などと、周囲との違いを感じるようになったと振り返る。

   TikTokを見ていたとき、たまたま「HSPあるある」の投稿が目に入ってきた。HSPにありがちだとする特徴を取り上げたもので、「それが全部当てはまって、他にも調べてみたら私が悩んでいたこと全て書いてありこれだ!って思いました」。そこで自身がHSPだと自覚したAさんだったが、かえって「人の目を気にしたり、考えすぎてしまったり、泣くことが多くなった」と話す。特に悩んでいるのは、周囲との人間関係だ。

「(HSPという言葉を知ってから)他にもHSPの人がたくさんいるんだって思えるので、気持ちは楽になりました。ですが、身近にHSPの人はいません。なので、理解されないことが多く、『考えすぎ』の一言で片付けられたり、傷つくことはかなりありますが、隠しています」

   Aさんは「HSPは病気ではないので、知ってる方が少ないと思います。もっと(世間で)知られれば、HSPの自覚がある人が過ごしやすい世の中になると思います」と話す。

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