2024年 5月 19日 (日)

東京の地下鉄と郊外に向かう路線の「相互直通」嫌がる人もいるが 実は混雑と混乱を防ぐ名案だった

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大きなターミナルを必要としない

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相互直通なら、都心のターミナルで折り返さなくて済む

   もし地下鉄と私鉄やJRの相互直通がなく、都心部の地下鉄と郊外方面の電車をターミナルで乗り換えなければならなくなったら、ということを考えてみたい。

   まず郊外からの列車は、必ずターミナルで折り返す。その際に、ターミナルには広いスペースが必要になる。地上時代の東急東横線渋谷駅を思い出してみよう。また、現在でも広いターミナルである、小田急電鉄の新宿駅などを考えてみるといいかもしれない。

   都心でかならず折り返さなくてはいけない、ということでそれなりの折り返し時間が発生し、列車ダイヤに無駄が発生する。地下鉄に直通するなら、普通のホームだけで十分なのに、ターミナルであるがゆえにそれなりの規模の駅にしなくてはならない。

   郊外から都心、そして郊外へ向かうことで、大きなターミナルを必要とせず、都心での折り返しの手間も必要なくなる。

   いまでも大きなターミナルは山手線上にあるが、相互直通がなければさらにターミナルは数も多くなっていただろう。

   また必ずターミナルで乗り換えなければならないとなると、朝ラッシュ時の駅の混雑が異常になり、駅構内が歩けないほどになってくる。

   東京の地下鉄が相互直通しなかったら、かえって普段から混乱するようになっていたと考えるのが妥当だろう。

(小林拓矢)


筆者プロフィール

こばやし・たくや/1979年山梨県甲府市生まれ。鉄道などを中心にフリーライターとして執筆活動を行っている。著書『関東の私鉄沿線格差』(KAWADE夢新書)、『JR中央本線 知らなかった凄い話』(KAWADE夢文庫)、『早大を出た僕が入った3つの企業は、すべてブラックでした』(講談社)。

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