ホッキョクグマ「ゴーゴ」、麻酔&採精後に死ぬ Xで対応問題視→ズーラシアが詳細説明「問題があったとは考えていない」

   横浜市立よこはま動物園「ズーラシア」(旭区)は2026年2月9日、ホッキョクグマ「ゴーゴ」が、8日に麻酔薬を投与したあと死んだと発表した。これにXでは一部で、園の対応に問題があったのではないかとする批判が寄せられた。園は12日に、当日の対応の詳細を公表した。

   よこはま動物園によると、ゴーゴは動物好きの間では有名で、「非常に人気も高かった」という。そのため、「たくさんのご意見をいただいている状況になっているのかなと思います」とした。

  • ゴーゴ。ズーラシア公式サイトの発表より
    ゴーゴ。ズーラシア公式サイトの発表より
  • ゴーゴの子ども・ライ。ズーラシアのインスタグラム(@yokohama.zoo)より
    ゴーゴの子ども・ライ。ズーラシアのインスタグラム(@yokohama.zoo)より
  • ゴーゴ。ズーラシアのインスタグラム(@yokohama.zoo)より
    ゴーゴ。ズーラシアのインスタグラム(@yokohama.zoo)より
  • ズーラシア公式サイトの発表より
    ズーラシア公式サイトの発表より
  • ゴーゴ。ズーラシア公式サイトの発表より
  • ゴーゴの子ども・ライ。ズーラシアのインスタグラム(@yokohama.zoo)より
  • ゴーゴ。ズーラシアのインスタグラム(@yokohama.zoo)より
  • ズーラシア公式サイトの発表より

死亡の知らせに「ゴーゴを返して」の声も

   9日の発表によると、ゴーゴは、とくしま動物園(徳島市)に移送される予定だったという。8日朝は健康状態に異常はなく、13時頃に麻酔薬が投与された。麻酔で動かなくなっている間に検査や採精を実施した。

   5回目の採精が終わった後、「突発的な呼吸停止および心停止」が確認された。緊急薬剤投与や心臓マッサージの実施、ヒト用 AEDの装着をしたが、14時42分に死んだことが確認された。21歳だったという。

   なお、輸送計画については、「移動によるストレスやリスクを極力軽減させるため、事前の健康管理および獣医師による状態確認を行うとともに、適切な輸送箱の選定や移動手順の事前確認など、段階的な準備を行い、安全性を高めたうえでの計画」だったと説明。輸送には移送先の飼育担当者と獣医師が帯同する予定で、輸送中のゴーゴの状態を確認できるカメラの設置など準備を進めていたという。

   この報告にXでは、悲しみの声が寄せられた一方、一部では園の対応を疑問視し、「ゴーゴを返して」「麻酔なんて掛けられてなかったら今も生きてたんじゃないの」「責任者がしっかり責任を取り説明しろ」など、園を責める声も寄せられた。

園長がメッセージ「深い遺憾の念を抱いて」

   よこはま動物園は12日、

「これまで私は、種の保全という動物園の重要な社会的役割を果たすと同時に、動物福祉(アニマルウェルフェア)に十分配慮し、一つ一つの命に真摯に向き合うことが不可欠であると考えながら、日々の業務に取り組んでまいりました。それにもかかわらず、このような結果となったことについては、深い遺憾の念を抱いております」

という園長のメッセージとともに、より詳細な移送や麻酔を行った経緯を発表した。

   移送の経緯について園は、「JAZA生物多様性委員会のホッキョクグマ管理計画において、国内の飼育下個体群の維持・回復を目的として、とくしま動物園のポロロに繁殖機会を確保することが必要であるとの判断がなされました」と説明した。

   麻酔をした理由については、ホッキョクグマの園館間の移送の際は、「麻酔下で輸送箱に収容し、覚醒後に移動を行う方法」で行うことが一般的だと説明。実際にゴーゴも過去に、この方法で移動したことがあるとした。

   また、麻酔時間は、「リスクを可能な限り低減することを目的」に、文献や過去事例を踏まえて計画されていたとし、「適正であったと考えています」とした。

採精の経緯や方法についても詳しく説明

   ゴーゴが麻酔で動かない間に採精を行った理由については、JAZA生物多様性委員会のホッキョクグマ計画推進会議では、国内のホッキョクグマの種保存のため「人工繁殖技術の確立および配偶子の保存が極めて重要」と位置付けていると説明。今回もそのため、移動のための麻酔実施に併せて、採精も行うことにしたという。

   なお、「麻酔の導入等で時間を要した場合には採精を行わない」と事前に決めていたとした。

   採精は、「カテーテル法(尿道にカテーテルを挿入し、毛細管現象により精液を採取する方法)」で実施したという。ゴーゴを輸送箱に入れる一連の作業の中で、「不動化(編注:麻酔が効いて動かなくなること)が得られている時間内において可能な回数で行った」とした。

   また、ゴーゴは21歳と若くはなかったが、年齢について、「一般に年齢を重ねるほど、移動や環境変化に伴う負担やリスクが高まる傾向」と認識しつつ、年齢のみをもって移動の可否が決定できるわけではなく、健康状態や移動の必要性などを含め、「総合的に検討し判断」したとした。

   ゴーゴの死因については、「麻酔に関連した死亡であることは確認しておりますが、詳細についてはなお確認と検証を進めている段階」と報告した。

ゴーゴは「メスに対しても優しい」「非常に人気も高かった」

   13日にJ-CASTニュースの取材に応じたよこはま動物園の副園長は、ゴーゴの死について、「お叱り」や激励の声合わせて30件以上の電話があったと明かした。

   麻酔や採精については、動物への負担の低い一般的な方法を取っており、「何か問題があったとは我々の方では考えていない」とした。

   また、2月8日は全国的に雪が降り、交通への影響も出た。Xではこれを指摘する声もあったが、問題なく輸送を実施できるよう、「受け入れ先や輸送業者とルートを複数考えるなど調整をし、対応を検討していた」と説明した。

   副園長はゴーゴについて、「うち(よこはま動物園)で繁殖も成功させてくれて、子どもも順調に育てて、メスに対しても優しい個体でした。あと、おもちゃで遊ぶのも大好きで、非常に人気も高かったです」と振り返る。

   動物好きにとっては有名なホッキョクグマだったといい、「そういうこともあって、たくさんのご意見をいただいている状況になっているのかなと思います」とコメントした。

   よこはま動物園の発表によると、ゴーゴは04年12月にロシアの動物園で誕生。06年に天王寺動物園に入園した。15年にアドベンチャーワールドに移った後、18年に再び天王寺動物園に戻り、21年によこはま動物園に入園した。よこはま動物園では2度繁殖したという。

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